ネットニュースでこんな記事が載っていました↓
◆日本人こそ「日本のこと」を知らない…じつは「日本人は集団主義ではなかった」という意外な事実
(https://news.yahoo.co.jp/articles/3194f447940908d2aadebc4e06166a289b36ff78)
元の新書はまだ読んでいませんが、この記事の要約が間違っていないのであれば、私は「日本人は集団主義ではなかった」というのはまったく信じ難いと思います。
ここに書かれている「同調行動」の実験内容自体が、本当に「同調率」の程度を調べるのに適当なものなのか疑わしい気がします。
明らかに答えがわかっているものに対しては、人はそうそう間違った答えに同調しないのではないでしょうか?
例えば終戦時のブラジルで「日本が負けた」ということを信じられない「勝ち組」であったり、最近で言えばコロナ禍やジャニーズ問題の時のように、答えがわかりにくかったり、恐怖にかられたりして平常ではない精神状態の時などに、個を貫けるかどうか?
また、周りの人がまったくの他人であれば、日本人であっても、無理に周りの「空気」に合わせる人は少ないと思います。
日常生活でも、ずっと一緒に過ごさざるを得ない「世間」の中や、波風立てずに円滑な人間関係を保ちたいと思う集団の中で、周囲の意見とは違うことを言えるのかどうか?
人の間違いを指摘できるのかどうか?
「村八分」になることを恐れずに、自分の意見を言えるのかどうか?
「日本人は集団主義だ」とされるのは、そういう「世間」の空気に同調して流されがちで「個」を持てない・貫けないからです。
この記事にある実験が、それに対する有効な反論になっているとは思えません。
「科学的な方法で比較」とか「科学的検証」と言われると、何故か説得力のあるもののように思われがちですが、実験内容や条件等をよく見てみる必要があるなぁと思いました。