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トッキー
2023.12.24 12:29メディア

言っていないことまで絶賛される村上春樹先生を、よいしょ!


【よいしょの3】

 

今朝の毎日新聞・文化面「村上春樹をめぐるメモらんだむ」で、作家・村上春樹氏のラジオ番組「村上RADIO」の発言を取り上げていました。

11月26日の放送で村上氏は、ベトナム戦争で米軍が「トンキン湾事件」を口実に北爆を開始する際に、米議会が「議会の承認がなくても軍事力を自由に行使できる権利を大統領に与える」という法案を成立させ、この時に反対した議員はわずか2名で、いずれも「反愛国的」として世論の袋叩きに遭い、次の選挙で落選したという史実に触れます。

そして村上氏は、その議員のひとり、ウェイン・モースの「歴史は、私たちが憲法を覆し、台無しにするというとんでもない間違いを犯したことをしっかり記録するはずだ。私はそう確信している」という言葉を紹介、「今では(モース議員が)名誉を挽回し、多くの人に尊敬され、その発言は大事に引用されています」と語っています。

さすがは村上春樹先生! いい話をしています!

これに続けて村上氏は、このモースの言葉が2003年のイラク戦争の際にも脚光を浴びたことに触れ、イラク戦争も「大量破壊兵器」という、ベトナム戦争の「トンキン湾事件」と同様のフェイク情報によって引き起こされたとして、「残念ながら歴史は繰り返されます」とおっしゃいました。

そう! 全くその通り! 文学者の慧眼とは、このことです!

そしてさらに村上氏は、
「どれほど自分たちが少数派であっても、正しいと信じることは決して曲げない、それが自分に不利益をもたらすかもしれないとしても、しっかり声を上げる、空気なんて読まない、忖度もしない……そういう人たちの存在が、たとえ少数ではあっても、僕らの社会には必要なんですよね。」
と語りかけます。

素晴らしいお言葉です!
本当にそう思うし、そういう人になりたいと思います!

そして、村上氏は、この言葉で話を締めくくるのです。

「最近のジャニーズ問題の報道とか見ていて、勇気を出して声をあげることの大事さをあらためて痛感させられました」

…………は!?

 

も、もしかして、ひょっとして、まさか、村上春樹先生、ジャニーズ問題の自称被害者を、ベトナム戦争時のウェイン・モース議員に匹敵する「勇気ある発言者」と思っていらっしゃる!?

「当事者の会」の自称被害者は、ずっと「元ジャニーズ」を誇りにしているような発言を繰り返していたのに、世間の風向きが変わったのを見て、突然「被害者」になった人たちなんですよ! 「金目当て」を公言している人までいるんですよ!!

毎日新聞は、この村上氏の発言を取り上げた以上は、いくらなんでもそれとこれとは違うということくらいは苦言を呈するかと思ったのですが、「ジャニーズ問題への関心には、この作家の独特な視角がうかがわれる」と、この発言を全面肯定!
しかも、「やはり今まさに世界で、とりわけパレスチナ自治区ガザ地区で続くイスラエル・パレスチナ間の激しい戦闘と市民の悲惨な犠牲が念頭にあることも、言外に示されていたように筆者は感じた」と、村上氏がここで一言もおっしゃっていないイスラエル・パレスチナ問題まで「言外に示されていた」と絶賛していました!

素晴らしい! 素晴らしすぎる、村上春樹先生!

先生くらいに大ベストセラーを連発し、世界中にファンがいる万年ノーベル文学賞候補の作家ともなれば、どんなに頓珍漢なことを言ってもスルーしてもらえて、それどころか、一言も言っていないことまで「言外に示されていた」なんて、地下1万メートルまで深読みしてもらえるのですね!

これはすごい。何も言っていないことまで絶賛してもらえるなんて、こんなすごい作家がいるとは信じられません!

私はそんなふうになりたいとは決して思いませんけど。

トッキー

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