昨日は劇団四季の『ウィキッド』を観に行った。
何年か前に観て、再演を待ち望んでいたミュージカル。
ものっっすごい人気なので、チケットをゲットするために
チケット会社のカードまで新たに作った(当選しやすくなる)。
このミュージカル、オズの魔法使いの
スピンオフ的なストーリーなのだけど、
以前行ったとき、子供向けと思っていたら全然違ったのだ。
「悪い魔女」がなぜ悪い魔女になったのか。
そこには明確なポピュリズムへの批判があり、
生きる者への尊厳とは何かという問いがあり、
「個」の強さと、すべてを知った者の責務、
それを背負う覚悟とが、登場人物それぞれに示されている。
そこに、女同士の友情や恋を通して「しあわせとは何か」と
いった問いが絡む。
もっとも多くの人は、女の子の固い絆とか恋愛とかの
シーンで感動するようだ。
ちがう、ちがーーーうッ。
これは社会的な、じつに重い問いを
私たちに投げかけているミュージカルなのだ。
あなたは大衆の一人となっていないか?
巷に流布する物事を何の疑問も持たず信じていないか?
見たいものしか見ていないのではないか?
二人の主人公を通して、それを突きつけられる。
ここが『ウィキッド』の醍醐味だ。
もうミュージカルの曲をさんざん聴いているから、
どのシーンで何が流れるか、口ずさむことができる。
で、だいたいそういうものは期待値爆上がりになりがちで、
観たあとに「あれ、こんなもんだったかな」と思う。
けど『ウィキッド』は違う。
初めて観たとき以上に、心が揺さぶられた。
日本におけるミュージカルの傑作。
英語の「something bad」を「言葉奪われる」と
超訳した浅利慶太はすごい。
何か日本人にとっての「Something bad」かを
明確にわかっていたとしか思えない。
もう最初から最後まで、ほとんど号泣状態。
心残りは、一番最後のしっとりした曲が、
泣きすぎてほとんど記憶にないことだ。
よし、もう一度観るぞ!
↑号泣後
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