ゴー宣DOJO

BLOGブログ
笹幸恵
2023.11.25 06:33皇統問題

こんな人が言論やっていていいのか。こんな人が党首をやっていていいのか。

『SPA!』11/28号。
倉山が諸手を挙げて喜んでいる。

内閣委員会(11/15)の馬淵議員の問い、
「一般国民である旧宮家の男系男子を
血統や家柄で皇室への養子縁組の対象として
選ぶのは、憲法14条の国民平等の原則に違反するのではないか」
に、内閣法制局の木村第一部長がこう言った。

「皇室という憲法第14条の例外として認められた
特殊の地位を取得するものでございますので、
憲法第14条の問題は生じない」

これを倉山は、
憲法の番人である内閣法制局が、
男系男子の皇籍取得は「合憲」と言ったぞ〜!!!
と、喜んでいるのだ。


喜ぶ前に、国語力を何とかしろ。

都合のいい切り取りをするな。


木村部長はこう言ったのだ。

憲法第14条第1項は、すべて国民は
法の下の平等である旨を定めております。
お尋ねの一般国民である方々には当然、
その保障が及ぶということでございます。

ただ、もっとも一般国民であっても、
旧宮家に属する方々という皇統に属する方々が
皇族の身分を取得するような制度を
念頭に置かれたお尋ねだといたしますれば
具体的な制度が明らかではございませんけれども、
一般論としては皇族という憲法第14条の例外として
認められた特殊の地位を取得するものでございますので、
憲法第14条の問題は生じないものと考えております。
(下線:笹)

木村部長は、
「憲法14条の国民平等の原則は、一般国民に保障される」
と認めている。
が、そのあと、問われてもいないのに
「皇族の身分を取得するような制度を念頭におくならば、
一般論として問題ない」
と言っている。

馬淵議員の質問に真正面から答えていない。
あたかもそういう制度があるかのような言い方で、
それによって皇族の身分を取得したのなら
「問題がない」と言っているのだ。
どうとでも取れる言い回しで、巧妙に論点をずらし逃げている。

それなのに、倉山はこう書いている。

図らずもだろうが、馬淵議員の質疑が
「合憲」との答弁を引き出した。

前後の文脈を一切無視した、あまりに乱暴な結論だ。

憲法第14条第1項は、すべて国民は
法の下の平等である旨を定めております。
お尋ねの一般国民である方々には当然、
その保障が及ぶということでございます。

立憲主義国家なら、これが答えのはずだが。


さらに、またも婚姻の話を持ち出している。

「一般国民が皇族となることができるのは、
女性が天皇・皇族と結婚した場合のみ」

「女性は日本人でなくても、誰でも皇族になれる可能性がある。
一方で、男性には可能性が無い。これを杓子定規に
憲法第14条に照らせば、『性別』による差別になる」

本気でそう思っているなら、あまりに浅薄。
国民を性別によって差別しているのではない。
現在の皇室は、男性皇族しか皇位継承資格はない。
女性皇族は、結婚されたら皇族の身分を離れる。
こうしたルールの反射的結果に過ぎない。
男性が差別されているかのような書きっぷり、
竹田のヘリクツを鵜呑みにして完全コピペ。

こんな人が言論やっていていいのか。


最後は、ニコニコ動画で行われた
泉健太の番組の内容を紹介している。
「女性差別の皇室典範を改正し、
愛子様を天皇に」という視聴者の質問に対し、
泉はこう答えている。

「(男系男子による皇位継承を)優れているとか
優れていないとかではなく、
世界が持っていないわが国の特殊な、
まあ、血筋というか、続けてきたものですよね」

「究極言えばそれを続けるかどうかっていう
話なんですよ」

これを倉山は「冷静な対応だ」と褒めている。

正気か。
続けるかどうか、の前に、
続かなくなるという話をしているというのに。

こんな人が党首やっていていいのか。


笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

次回の開催予定

第119回

第119回 令和6年 11/2 SAT
14:00~17:00

テーマ: ゴー宣DOJO in広島「原爆の悲惨さはなぜ伝わらないのか?」

INFORMATIONお知らせ