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高森明勅
2023.9.29 07:00皇統問題

旧宮家系子孫の皇籍取得を巡る男系限定論者のいくつかの発言

先日、共同通信「奏論」シリーズの取材を受けた。
加盟各社に配信済みで、既に記事を掲載した新聞もあるだろう。
インタビューでは「旧宮家…出身の男性の子孫の皇室復帰は
選択肢になりますか」(「子孫(!)」なので「皇室“復帰”」
は不正確)
という質問も受けた。
これへの私の回答の一部だけを紹介すれば、次の通り。

「実際、皇籍取得を受け入れる旧宮家子孫は
どれだけいるのでしょうか。受け入れる当事者が
いまだに曖昧なままです」

この回答の背景には、例えば男系限定論者達の
以下のような発言もある。

「(旧宮家系子孫の国民男性が皇籍取得を)望むかどうかなど
ご本人以外に知りようがないことはともかく、旧皇族の方々が
健在であるのは事実です」
(倉山満氏。「旧皇族」は正確にはかつて皇籍におられ、
その後、皇籍を離れられた方々だから、被占領下に皇籍離脱された
旧宮家系なら、皆さん70歳代後半以上。
しかし、ここではその子孫のつもりだろう)

「(旧宮家系子孫が皇籍取得するのは)特攻隊に
志願するほどの大きな覚悟と勇気を必要とする決断だろう」
(新田均氏)

「復帰したいと思っている者はいるわけがありません。
…私がベストと思っているのは…(本人にまだ判断能力が全く無い)
赤子のうちに(養子)縁組を行うことです」
(竹田恒泰氏。ここの「復帰」も同じく!)

「(皇籍取得の意思がある当事者は)いないんです」
(安倍晋三氏)…

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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