先のブログで、皇室典範が“直系”の皇太子と“傍系”の
皇嗣を明確に区別していることを、再確認した
(同ブログでは皇室典範の第11条第2項だけを取り上げたが、
第19条でも両者の違いが示されている)。「立皇嗣の礼」を挙行しても、「その時点では皇位継承順位第1位」
(=不確定的なお立場)に過ぎない傍系の皇嗣が
「次の天皇であることが確定している皇太子」と
“同じお立場”に移られる訳ではない、と。当然ながら、この違いを誰よりも理解しているのは宮内庁だ。
皇太子が外出される場合は「行啓(ぎょうけい)」という表現を使う。
この語は、他には皇后・皇太后・皇太子妃などに用いられる。ところが、秋篠宮殿下や同妃紀子殿下の場合には、
この言葉は使われていない。もっぱら「お成(な)り」だ。
この語は一般の皇族に広く使われる。皇太子と傍系の皇嗣の“違い”については、
歴代の内閣官房長官の中でも優れた手腕を評価され、
長くその地位におられた菅義偉氏でさえ、
国会で質問を受けた時に一瞬、呆然として席を立てなかった
一幕があった(質問者は菅野志桜里氏。当時は山尾姓)。両者の違いは、もっと多くの人々に知られるべきだろう。
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