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小林よしのり
2023.6.30 08:18政治・経済

日本人は永遠に個の確立なんて出来ない

戦前の反省として、あるいは赤軍派の総括リンチ
殺人の分析として、さらにオウム事件の反省として、
日本人は「個の確立」が出来てないと言われた。

西洋人は個が強いが、日本人は個が弱くて、組織に
埋没してしまう。
日本人は世間がルールであり、世間が全体主義の
単位だから、個が育たない。
コロナ禍でも、日本人の反応は、法律よりも、
世間のルールに従い、自粛を他人にも強要した。
個が強い者がこれに反発していたのかと思って
いたが、やはりそうでもなかった。

個人で公に主張できるかと言えば、顔出しは
できない、会社の目がある、有名になりたくない、
訴訟は恐怖と日本人は思うらしい。
スラップ訴訟が流行るのも、日本人の脆弱な個を
揺るがすからだろう。

「王様は裸だと言えるのは、王様に睨まれない
匿名という条件があるときだけだ。」
だからTwitterが流行る。
わしはもう、この日本人の匿名根性を否定しないし、
日本人は永遠に個の確立なんて出来ない。

だからこそ王様は裸だと言って、何度でも名誉毀損
で訴えられるわしが必要とされるのだ。
本当はわしが必要なくなる時代が来るのが一番
いいのだろう。
だがそんな時代は未来永劫、来ないのだと、最近
分かった。

諦めるべきことは、さっさと諦めないと、人生の
期限切れは間近だ。
まだやるべきことに集中しよう。

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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