予想よりずっと早く「時代遅れ」っぽい感じになっちゃった技術の一つに、CDやDVDといった「光ディスク」があります。
僕も、特に音楽は盤を持っててもデータ化したやつばっかり聴いてて、CDを直接再生する事はほとんど無くなっちゃったんですが、あらためて注目すると、今でも十分に「スゴい技術」なんです。
これは、CDの表面を電子顕微鏡で撮影した画像。長さの異なる穴を「ピット」と呼び、この並びのパターンをレーザー光線で読み取ることで、データを再現しています。
写真:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:CD-ROM_pressed_pits.jpg
ピットの幅は1マイクロメートル(0.001ミリメートル)以下みたいな、ちょっとイカれたレベルの小さな小さな世界なので、光ディスクがデータを読み取る作業は「野球グラウンドから砂粒を拾う」ようなものと例えられることがあります。
改めて仕組みを見ると、今でも十分すぎる位にスゴい技術!
ところで、ゴー宣読者が「砂粒」と聞くと、つい「砂粒の個」という言葉を浮かべてしまいますね(笑)CDの仕組みを「小さな個が集まって曲が奏でられる」と例えると美しい感じもしますが、実際には盤面の傷やホコリの付着などで読み取れないピットも多数出てきます。
実は、光ディスクで音楽や映像を再生する際に最も重要となる技術の一つが、そうした読み取れない部分のエラーを補完する「誤り訂正」という技術です。
本来、エラーの部分は音が飛んだり、雑音になったりしますが、例えば
おはよう○ざいます
○が欠けたピットだとして、「日本語のルール」を知っていれば、○に入るのは99.9%「ご」だろうと予測できますよね。この考え方の超ド級に高度なやつで、データの欠けた部分を補っているんです。
僕も実際にどんな計算をしている等は全然理解できないのですが、CD開発当時のソニーなんかでは、伝説級の天才エンジニアがこのプログラムを作ったそうです(「この人」については色々面白い話があるのでまた改めて)。
さて、ピットを「砂粒の個」に、光ディスクを「社会」に例えるなら、「誤り訂正」プログラムの役割を果たしているのが「常識」でしょう。
社会がある程度のダメージを負った際も、足場となる常識があれば、機能を失うことなく動き続けることが可能です。
問題は、アップデート時のミスや改ざんなどで、誤り訂正のプログラムが正常に機能しなくなった時。
例えば…
画像引用:ゴーマニズム宣言2nd Season199章より
この人は宮様○○
ここで、ちゃんと常識的に「詐欺」が入れば良いんですが、もし「です」になるような変造プログラムが仕込まれたら…それはまさに「日本社会の死」death!
そんな事が無いように、この強力な「誤り訂正ソフト」で社会をしっかりとアップデートしましょう!⬇