一昔前は、子供向けの漫画雑誌はもとより、学習雑誌などにもけっこうアヤシゲな広告が色々と出ていました。
その中で度々みられた商品が「聴くだけでポジティブな気持ちになれる!」みたいな謳い文句の音源。
広告そのものは手元にないので、こんな感じだったなーというイメージで作ってみました。
なんでも「人間の耳に聴こえない周波数」に「ポジティブな気持ちになれるメッセージ」が入っていて、寝っ転がって聴くだけでもOKという受け身・他力本願の極地のようなアイテムです。
さて、この商品、最初はカセットテープだったのですが、世の中の変化と共に「CD」バージョンが出現しました。
これが(もちろん「それ以前の問題」は色々と目をつぶった上でも)商品のインチキ性を決定づけた「致命的なミス」だったのです!
カセットテープは「アナログ」方式の記録媒体。現実的では無いにせよ「人間の耳に聴こえない周波数の情報が入っている」事が100%無いとも言い切れない原理になっています。
一方、CDは「デジタル」方式。ほぼ人間の可聴限界とされる範囲は完璧に収録しつつ、それを超えると情報が「完全にゼロ」になります。
カセットのままだったら「100%無いとは言えない!」と抗弁できたのに、CDにしちゃったせいで「100%完璧なウソ」になってしまったんですね。
オカルトにハイテクを持ち込んだせいで墓穴を掘ってしまった、古代中国だったら故事成語になったようなエピソードです。
そういえば近年も、既に因習となった考えに説得力を持たせようと、Y染色体がどうとか言い始めて墓穴を掘ってしまった実例があるとか無いとか…。
皆さんも、オカルトビジネスに手を出す際には十分に注意してくださいね!(笑)