たぶん、ほとんどの方大丈夫と思うのですが、もし動いていないという方がいたら、可能であれば僕のTwitterにどんな環境でご覧になっていたかを教えて頂けると嬉しいです!
さて、動いている前提で進めます。それでは、上の「動画」から1コマだけ抜き出してみると、それは「静止画」になります。
このように、視覚情報は簡単に「時間を止める」ことが可能です。
一方、「音」はどうでしょう?YouTube動画などを観ているとき、再生を一時停止すると映像は静止画状態になりますが、音は「無音」になってしまいます。
このように、視覚と聴覚の決定的な違いの一つに「静止の可否」があります。音は「時間」と不可分の情報で、止めると「消えて」しまいます。
しかし、人類は「音を静止画像に記録する」方法を発明しました。それが、ひらがな・カタカナやアルファベットといった「表音文字」です。
表音文字が優れているのは、言葉以外の音も表現できる点。それは漫画の表現の中でも最大限に活用されています。
こちらは、よしりん先生の大名作「卑怯者の島」からの1ページ。日米両軍が激突する光景が、凄まじい迫力で描写されています!
小林よしのり「卑怯者の島」より
それでは試しに…本来は大変失礼な改変ですが、公式コンテンツ上という機会に甘えて、擬音だけを無理やり消してみます。
小林よしのり「卑怯者の島」より(改変した画像)
絶叫しているフキダシが残っていても、迫力が大きく減ってしまったと思います。静止画像上であっても「音の効果」はすさまじく大きいのがおわかり頂けると思います。
以前から、よしりん先生は様々な意味での「音の表現」が巧みな漫画家だなあと感じていました。例えば、同じ「卑怯者の島」の中でも
小林よしのり「卑怯者の島」より
同じく激戦の描写でも、こちらは一切の擬音がなく、それにより主人公のモノローグがクッキリと浮かび上がる。この「音の抜き差し」の手法は、映画の演出でも使われるものです。きっと、このシーンのコンテを描いている時の先生の脳内には、うっすらとBGMのイメージも流れていたのでは?と想像します。
これは(意識的、無意識の両面から)「音」への感受性が鋭い人の表現だなあと強く感じます。
「卑怯者の島」は特に「映画的」な作品ですが(映画会社は早くこれを映画化しなさい!(直系よしりんの口調))、他のストーリーやギャグ、なんならゴー宣シリーズのどれかの「論」を「原作」にした映画も作れるのでは?と色々想像が止まりません。
この方向の考察は、今後も色々と書いて行こうと思います!