倉山満『皇室論』。 明らかな事実誤認、支離滅裂、意味不明が多すぎる。 もう絶望的な支離滅裂さ(もう皆知り尽くしてしまっているけど)。 今回は14回目。 「伏見宮系の男系男子に親王宣下していただくべき」という 倉山の主張に対する、5つの批判。 1)先例にない 2)旧皇族は生まれた時から民間人で既に七十年経っている 3)皇籍取得を望む旧皇族などいないのではないか 4)人権問題が発生する。門地による差別となるのではないか。 5)旧皇族は伏見宮家の子孫であり、現在の皇室からは血縁が遠い。 このうち、 2)旧皇族は生まれた時から民間人で既に七十年経っている に対する倉山の反論(要旨)は、次のとおり。 ・「生まれた時は民間人であり、元皇族ではない。 そのような人が皇族になって国民が納得するのか」が (反対する人の)決まり文句。 ここで宇多天皇や醍醐天皇が先例にならないと 議論するならまだ学問的だが、「愛子様は可愛い。 愛子様に天皇になってもらいたい」などと感情論に 訴えかけるに至っては、AKB48の人気投票と変わらない。 →いきなり論点をすり替えるからずっこける。 なぜ愛子さまの話になる??? 「民間人として生まれ、生活してきた人を 皇族にしていいのか」が本来の論点だ。 要するに「君臣の別」をどう考えるか、 象徴天皇をどう考えるか、ということなんだけど、 倉山にはそれがわからないらしい。 庶民の素朴な感覚を「学問的ではない」と マウンティングしてみせただけ。 ・私(倉山)は、生まれた時は一般国民だった方に 天皇になってもらいたいと言っているのではない。 親王宣下ののち皇族として生きていただき、 そのお子様は生まれた時から皇族として 悠仁殿下をお支えいただく。 だから「生まれた時は民間人で〜」という批判をされても 話が食い違っているとしか言いようがない。 うん。 話が食い違っているのは、倉山が批判の意図を 理解できないからとしか言いようがない。 そもそも現代において、時代がかった「親王宣下」で 一般国民が皇族になっていいのですか??? という話。 あ、言っておくけど、先例はもういいから。 日本国憲法下における、現代社会の話をしているんで。 天皇・皇族も、私たち一般国民も、「今」を生きているんで。 中世(あるいは明治)の皇室の在り方を再現することが最善であり、 伝統であると思い込んでいる倉山クンには通じないだろうけど。
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