倉山満『皇室論』。 明らかな事実誤認、支離滅裂、意味不明が多すぎる。 もう絶望的な支離滅裂さ(もう皆わかっていることだけど)。 今回は13回目。 倉山は、悠仁さまが何かあったときのために、 「伏見宮系の男系男子に親王宣下していただくべき」 と主張している。 この方策に対して5つの批判があるという。 1)先例にない 2)旧皇族は生まれた時から民間人で既に七十年経っている 3)皇籍取得を望む旧皇族などいないのではないか 4)人権問題が発生する。門地による差別となるのではないか。 5)旧皇族は伏見宮家の子孫であり、現在の皇室からは血縁が遠い。 第4章は、これらに対する反論がメイン。 だけど、さっぱり反論になっていない。 しょうもないことばかり書いているのだけど、 一応細かく見ておこう。 まずは1)から。 1)「先例にない」への反論 女系のほうが「先例がない」のだから、ダブルスタンダード。 旧皇族の男系男子の皇籍取得は、吉例ではないが先例はある (宇多天皇、醍醐天皇)。 「まったく先例がないことをやるのと、吉例ではなくとも 先例があることをやるの、どちらが良いのか。 先例を基準とする限り、答えは明々白々です」 いや、何を言っているのか。 これだから先例原理主義者なんて言われちゃうのよ? 過去に固執するのではなく、 現実を見ろ、倉山。 未来を見ろ、倉山。 「さらに細かい議論」として、 宇多天皇は臣籍降下後に3年で皇籍復帰、 70年も経っている現在の旧皇族とは違う、 との批判も取り上げている。 これに対する反論は・・・・・・、 「その通りですが、ならばなぜ皇室と縁もゆかりもない一般国民 (わかりやすく小室圭さんを思い浮かべてください)の方が 皇族になることができるのでしょうか」 出た! 倉山お得意の「勘違い&思い込み満載の論点ずらし」作戦!! 私は一度も聞いたことがないけれど、 「小室圭さんに皇族になっていただきたい」という声が かつてあったらしい。 だけどこれ、当時の一般国民の心情として推測するに、 女性だって結婚しても皇族として残ってほしい (皇族数が減少しているならなおさら)、 眞子さまも残ってくれたら嬉しい(その結果として当然 夫である圭さんは皇族になる)。 美智子さま、雅子さま、紀子さまのように、 男性だって結婚して皇族の一員となってもいいじゃない。 その意味での、「圭さんに皇族になっていただきたい」という 声ではないか? 国民の自然な期待感の表れだったのではないか? こういうニュアンスが一切くみ取れないのが倉山だ。 あるいはわざと切り取っているのか。 そしてこれを「旧宮家系男系男子がダメで、小室圭さんなら なんでいいのか!? 筋が通らない!!!」 と叫んでいるのである。 一般国民を自由に皇族にしていいなんて話、 誰もしてないんですけどね。(つづく)
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