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高森明勅
2023.4.3 08:00皇室

医療が届かない先までの看護、政治・法律が届かない先までの…

上皇后陛下が「日本看護協会創立五十周年記念式」
(平成8年1月16日)でお述べになったおことばより。

「看護の仕事には、人間体験への深い洞察とともに、
人を不安や孤独に至らしめぬための、様々な心遣いが
求められているように思われます。
身心に痛みや傷を持つ人々、老齢により弱まった人々が、
自分が置かれている状態を受け入れ、それを乗り越え、
または苦痛とともに、一生を生き切ろうとするとき、医師の持つ優れた診断や
医療技術とともに、患者に寄り添い、患者の中に潜む生きようとする力を
引き出す看護者の力が、これまでどれだけ多くの人を支え、
助けてきたことでしょう。
…時としては、医療がそのすべての効力を失った後も患者と共にあり、
患者の生きる日々の体験を、意味あらしめる助けをするほどの、
重い使命を持つ仕事が看護職であり、当事者の強い自覚が求められる一方、
社会における看護者の位置づけにも、それにふさわしい配慮が
払われることが、切に望まれます」

深い洞察に富んだ「おことば」だろう。
私には、ここで述べておられる「医療」が政治や法律など、
「看護」が皇室ご自身の役割と、ある部分では重なって受け止められる。

「時としては、医療がそのすべての効力を失った後も患者と共にあり…」

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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