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高森明勅
2023.2.17 06:00皇統問題

婚姻による皇籍取得が合憲で“旧宮家プラン”は違憲の理由

これまでも繰り返し述べて来た論点について、理解に混乱が
あるといけないので、
いささかウンザリ気味ながら改めて簡単
に整理する
(つい最近も取り上げたはずだが…)。

今の制度では、男性皇族が国民女性と婚姻されると、お相手の女性は
皇族の身分を取得される(明治の皇室典範以来の制度)。
しかし、それは憲法が禁止する「門地(家柄・血筋)による差別」
に当たらない。
何故か。

婚姻の対象となる国民が門地によって限定されて“いない”からだ
(しかも当たり前ながら、婚姻そのものは憲法が要請する
「皇位の世襲」
の為に欠かせない)。

従って婚姻の場合でも、仮にその対象が門地によって限定
される場合は、
いわゆる旧宮家養子縁組プランと同じく、
憲法違反となる
(天皇・皇族は憲法上“例外扱い”であっても、
婚姻相手は国民なので)。


旧宮家養子縁組プランは、婚姻の場合とは異なり、その対象が
「旧宮家」
という“国民の中”の特定の門地に限られる。
よって、「門地による差別」であることを免れず、憲法違反となる
(しかも憲法が規定する「世襲」は男子・女子、男系・女系を含む
ので、
憲法上の要請にもなり得ない)。

◎婚姻=憲法が要請する「世襲」に不可欠
〇婚姻+門地限定なし→合憲

◎旧宮家養子縁組プラン=憲法の要請とは無縁
〇養子縁組+旧宮家(門地)限定→違憲

至ってシンプルな話だ。
にもかかわらず(わざとなのか、思考回路が特別なのか)一部に
混乱が見られるようなので、念の為。

追記

〇2月14日、同日発売の「女性自身」にコメント掲載。
〇2月16日、「弁護士jpニュース」の取材に応じる。
テーマは「不敬罪」について。1時間ほど包括的に説明した。
23日「天皇誕生日」に公開するという。
〇同日、「週刊女性」の取材を受ける。先日の衆院内閣委員会での
馬淵澄夫議員の質疑をきっかけとした取材。「女性自身」に続いて。
こちらは2月21日発売号に掲載予定。
〇プレジデントオンライン「高森明勅の皇室ウォッチ」は2月17日公開。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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