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笹幸恵
2023.1.7 14:44皇室

女性週刊誌の皇室関連報道まとめ

週刊ポストの鼎談での山口真由の発言は
無知蒙昧としかいいようがない。
が、これについてはひとまず脇に置いて、
まずは今週の女性週刊誌の皇室関連報道を
まとめておきたいと思う。

「週刊女性」「女性セブン」「女性自身」は
それぞれ新年一般参賀の愛子さまの様子を
カラーグラビアで大きく扱っている。


記事内容は以下のとおり。

『週刊女性』
愛子さま学業専念に佳子さまの落胆

新年一般参賀の愛子さまの様子を紹介したあと、
記事の最後のほうで愛子さまが大学院に進学するのではないか、
大学院のあとは海外留学を視野に入れているのではないかと
宮内庁関係者の言。
さらに宮内OBのコメントとして、
「公務をこなされる日が先延ばしになれば、
その”しわ寄せ”は従姉妹の佳子さまにいく」
「(佳子さまは)現実を重く受け止めて
おられるのでは」
「恋愛や結婚の機会を逃しかねず、
落胆されるのも無理はありません」
と述べている。
何のことはない、宮内庁OBが何やらわかったような
発言をしたのを、そのままタイトルにしただけ。
勝手に憶測を垂れ流されて、それが週刊誌の
タイトルとして、まるで事実であるかのような
印象を人々に植え付ける。
週刊誌の常套手段とはいえ、反論できない皇族にとっては
まったく迷惑な話だ。


お次は『女性セブン』
愛子さま雲隠れの留学へ
悠仁さま「東大受験」孤高の重圧

こちらも一般参賀の様子に触れたあと、
愛子さまの大学生活を紹介し、
皇室記者が「海外留学の可能性がある」と
述べている。
一方で、皇室ジャーナリストは、
「悠仁さまのお出ましが増えるのではないか」と予測。
紀子さまが教育熱心であること、悠仁さまも
それに応えようと努力されるであろうこと、
さらに公務も増えるとなれば、
ほかの生徒とは一線を画した”孤高の東大受験”に
臨まなければならない。
だから「その重圧は大きい」と続けている。
こちらも、皇室記者やジャーナリストの発言から
目を引くフレーズを引っ張ってきてタイトルにしただけの記事。

ついでに、小室家の記事も続く。
眞子さん 正月も帰国叶わず涙
命運握る「佳子さまの新宮家」創設

「眞子さんは不安定な気持ちで時々涙することもあるそう」
という在米ジャーナリストのコメント、
「秋篠宮ご夫妻と眞子さんの間をつなぐのは佳子さま」
という皇室ジャーナリストのコメント、
それらを踏まえた上で女性宮家の創設の可能性に言及。
そしてこう結論づけている。
「佳子さまが皇族のままなら、
眞子さんが皇室ビジネスをしやすい」
「今後の眞子さんのニューヨーク生活の
命運を握っているのは佳子さま」
・・・なんだ、そりゃ。
としか言いようがない記事。


最後は『女性自身』
雅子さま「愛子を最強女王に」母娘特訓!

なんのことはない、タイトルの「特訓」とは、
一般参賀での愛子さまの所作について
雅子さまが細かくアドバイスをしていたようだ、
という宮内庁関係者のコメントから取っている。
ただ、記事の後半で小田部雄次氏が皇位継承の課題について触れ、
「こうした状況ゆえに、女性皇族に皇位継承権がなくても、
将来の皇室の安定を求める国民の希望が、
愛子さまのご人格や品位に集まるのでしょう」
と、愛子さま人気を分析。
さらにベルギー王室との関係を紹介し、
もしかしたら天皇家揃って海外訪問へ行くのでは
という君塚直隆氏の予測も紹介。
世界の「女王の時代」に、愛子さまも加わってほしいと
いう君塚氏のコメントで締めているあたり、
女性・女系に肯定的なニュアンスとなっている。

しかしこちらも、続く記事では小室家について。
小室佳代さんNY上陸で眞子さんと嫁姑戦争

小室佳代さんがスーツケースを郵便局に出していた、
小室さんがNYでひとりで買い物をしていた、
こうした近況から佳代さんがNYに行くのではないかと
予想し、小室母&息子の関係性に眞子さんが
不満を抱くのではないかという内容。
憶測に憶測を重ねた、いわゆるゲスの勘繰り。

いずれも「たいした内容ではない」と言ってしまえば
それまでなのだが、佳子さまや悠仁さまは
匿名で好き勝手なことを書かれ、
こういう記事の蓄積がある一定の評価として
国民の間に定着してしまうのだから、
悪質と言っていいのではないか。
さらには民間人となった眞子さんまで、
いまだに記事としてあることないこと取り上げられる。
もうそっとしておいたらどうなのよ。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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