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倉持麟太郎
2022.10.1 12:31

【『国葬などについて』濃密におしゃべりした夜×若新雄純@クソすば】

今週水曜日の『このクソ素晴らしき世界』は、慶応大学特任准教授で、単なる友人の若新雄純氏と、国葬の法的・政治的問題や、そもそもこの手のイシューの語り方について、かなり濃密に「おしゃべり」しました。
今回の国葬イベントに関心がある人々(特に反対している人々)は「何が正しいのか=俺が正しい」という前提で話をするので、私は非常に議論しにくいなと思っていました。
現状、どう考えても100%正解はないと思いますが、「俺が正しい」論法だと、未来志向の話もできないんだよね。
そんな中で、会話それ自体が目的の「おしゃべり」ができる若新とのコミュニケーションは、自分の考えも整理できる有益な時間であり、国葬イベントの語り相手として最高でした。
法的には「法的根拠の有無(法的根拠があるのか)」の前に「法的根拠の要否(そもそも法的根拠がいるのか)」の議論をしました。
我々の権利が侵害されるときは根拠がいるのか(侵害留保説)、直接侵害されてなくても重大な影響を受ける場合(国土開発計画など)には根拠がいるのか(重要事項留保説)、いずれにしろ直ちに法的根拠が必要とは断言できないし、したがって、ただちに違法・違憲とはいえない。
(教育現場や公務員に強制していた場合ならまだしも一般国民の思想良心の自由侵害ってのは間接的(違憲の結論ほしいから憲法を相対化しすぎ)すぎるし、平等原則違反は無理筋だろ(笑))
政治的にも、「民主主義に反する」というのは、一体何をもっていっているのだろう。議院内閣制を前提にすれば、今回の決定は最低限の民主主義的プロセスは経ているともいえる。ここも、民主主義の内容を相対化しすぎでは?
で、現状違法性争えないわけだし、国会関与の手続もないわけだから、それを制度化する議論は必要ですよね。そこは大事。そしてなにより、民主主義に反するなら民主主義(究極は選挙)で責任を問うのが筋です。
若新とのおしゃべりでは、その民主主義による主権者の判断て、彼氏が靴下脱ぎっぱなしだったらなんとか我慢できるけど、寝る前歯磨かないのは許せないから別れたい、というものだよね、と。どちらにしろ、自分の譲れない一線はもたないと判断すらできまへんな。
そして、法的・政治的な文脈からさらに目線を落とす?広げる?と、国葬に参列だの感動した人っては本当に一部だと思います。一方で明確に反対の意思を表明している人も一部。
政治的イシューに関心があるとその超一部の両極が「世界」になってしまいますが、日常だけを生きている国葬になんら関心すらない(マジでどうでもいい)人々が圧倒的ボリュームゾーンだと思います。
国論を二分も、社会を分断もしていません。
それは過剰評価しすぎであると同時に、その影響力のなさと無関心こそが、平時の「支持政党なし」が第1党というニヒリズム・無関心・無力感の現れとして、根本的に向き合わねばならない事実でしょう。
そして、そういう無関心層には、両極の人々の「語り方」は絶対に届きません。共通言語がどこにあるのか、考えさせられるイベントだったなと、思っています(「イベント」という言い方にからんでくるやつらとかもウザい)。
再度!このイベントについて関心がある人々は「何が正しいのか=俺が正しい」という前提で話をするので、議論になりにくい。
そんな中で、目的に向って走らない、むしろただしゃべることが目的の「おしゃべり」ができる若新とのコミュニケーションは、最高の話し相手だったなと、改めて思った配信でした!
わかさまありがとう!
※このテーマを話しているとは思えないリラックス感(笑)
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倉持麟太郎

慶応義塾⼤学法学部卒業、 中央⼤学法科⼤学院修了 2012年弁護⼠登録 (第⼆東京弁護⼠会)
日本弁護士連合会憲法問題対策本部幹事。東京MX「モーニングクロ ス」レギュラーコメンテーター、。2015年衆議院平和安全法制特別委員会公聴会で参考⼈として意⾒陳述、同年World forum for Democracy (欧州評議会主催)にてSpeakerとして参加。2017年度アメリカ国務省International Visitor Leadership Program(IVLP)招聘、朝日新聞言論サイトWEBRONZAレギュラー執筆等、幅広く活動中。

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