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高森明勅
2022.7.27 08:00皇統問題

天皇陛下にお子様がおられても皇位の継承資格がない不条理

 

天皇・皇后両陛下には、お健やかでご聡明というレベルを超えた、
光輝くようなお子様がおられる。
言うまでもなく、敬宮(としのみや、愛子内親王)殿下だ。
にも拘らず、敬宮殿下には皇位の継承資格が認められない。
何故か? 

“女性だから”というのが唯一の理由だ(皇室典範第1条)。

それはおかしい、と直感できるのが健全な“感性”だろう。

不測の事態でもない限り、即位を辞退される可能性が高い
“傍系”の秋篠宮殿下に、ご長男の悠仁親王殿下がいらっしゃるから、
“直系”の女性のお子様が排除されるのは当然という捉え方は、
「男尊女卑」以外に根拠がない。

天皇・皇后両陛下を真に敬愛していたら、出て来ない発想ではあるまいか。
しかも普通の“知性”を備えていれば、皇位継承について女性・女系を
頑なに排除するルールは“持続不可能”であり、皇室の未来を
閉ざすことは確定、という見通しを共有できるはずだ
(そのルールが、悠仁殿下のご結婚を至難し、苛酷なご生涯を
強制する結果になるであろうことも、改めて言うまでもない)。

追記

今回の参院選では、先に紹介したように全国35都道府県で106人(!)
の有志が様々なアプローチの仕方で、「女性天皇」を可能にする制度改正を、
候補者に働きかけておられる(合計345件)。

これは、皇位の安定継承を向けて確固たる信念を持った国民が各地に、
今の時点で既に“少なくとも”106人“以上”(強い気持ちはあっても、
今回はやむなく動けなかった人も、当然いるはずだから)
いることを意味するだろう。
心強く有難い(さらに選挙後、当選議員などへの手紙送付は
7月22日、18時の集計で65件!)。

サイト「愛子天皇への道」に、上記の候補者アプローチに
力を尽くされた方々のハンドルネームなどを全て網羅した、
クレジットタイトル動画「願いは必ず 届く」が公開されている
(7月24日公開、映像作家・ねこやなぎ氏作成)。

一連の経緯を承知し、皆さんの報告を漏らさず拝読して来た私には、
胸に迫るものがあった。
政治家「世間」に新しい風を吹き込む“きっかけ”となるに違いない、
画期的なムーブメントを記念するに相応しい、
関係者にとって心に残る作品だ。

なお別件ながら、7月26日発売の「女性自身」に
私のコメントが掲載されている。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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