繰り返すまでもなく、側室不在で非嫡出・非嫡系による
皇位継承の可能性が制度的に除外された条件下で、
それでも皇位の安定継承への道を探ろうとすれば、
明治以来の「男系男子」限定という男尊女卑的なルール
(皇室典範第1条)を見直し、女性天皇・女系天皇・女性宮家を
可能にする皇室典範の改正が避けられない。そのような制度改正が行われたら、次に即位されるのは、
直系優先の原則に照らして(皇室典範第2条)、
敬宮(としのみや、愛子内親王)殿下ということになる。
その場合、男尊女卑的な価値観や、ひたすら思考停止して
前例踏襲ばかりに凝り固まり、必要不可欠な刷新からも目を背ける、
退嬰〔たいえい〕的な感覚は、綺麗サッパリ拭い去ることができるだろう。したがって「愛子天皇」の登場は、日本が“変化できる”
ことを自ら証明し、再び活力を取り戻す希望に満ちた
第一歩になるはずだ。逆に、現在の“持続不可能”なルールに盲目的にしがみつき、
皇位の安定継承への展望が切り開かれないまま、
秋篠宮殿下が年齢的な事情などから即位を辞退されて
(皇室典範第3条)、「悠仁天皇」が即位された場合、
(もちろん悠仁殿下ご本人のせいでは全くないが)
それは日本が古い価値観をいつまでも引きずり、
皇室の方々の人格や人権を否定したまま、
どうしても必要な変更さえ行えない無力で臆病な国であることを
示すことになり、わが国の未来は暗く閉ざされるだろう。属人的ではなく制度論的な二者択一として、
日本国民は一体、どちらを選ぶのか。【高森明勅公式サイト】
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