更に引き続き亀井静香氏『永田町動物園』から。
「総裁選の議員集会を、俺は会場の一番後ろの
壁にもたれかかって見ていた。
橋龍(橋本龍太郎)の周りにはポスト欲しさに
ヨイショ、ヨイショの議員たちが群がっていた。
でもあいつは、その群れをかき分けて俺のところに来て、握手をした。
そして、ウインクして去っていった。俺のおかげで、小渕(恵三)を差し置いて
総裁選に出られたとわかっていたのだ。
…橋本内閣が誕生し、俺も組織広報本部長という新設された四役に就いた。
ともにお国のために頑張ろうと意気込んだのだが、現実は違った。
あいつは総理になった途端に変わってしまったのだ。
大蔵省の虜になり、緊縮財政を主導し、政策的に縮小路線に舵を切る。
官僚にのせられ、消費税を3%から5%に引き上げてしまった。
公共事業もなんでも切ってしまえと、無茶なことをやりだした」「(塚原)俊平が第1次橋本内閣で通産大臣だった頃を思い出す。
朝、少しだけ大臣室に顔を出して仕事をするのだが、
昼になると事務所に戻り、昼飯をたべながら俺たちと
麻雀を始める。
国会開会中だって関係ない。
秘書官や役人が決裁を取るため、文書を持参してくるのだが、
俊平は麻雀に集中しているから、あまり中身を見ないまま決裁していた」「荒井(広幸)は、郵政民営化阻止のため、翌年の参院選に
比例全国区で出馬することになった。
…(出陣式に)集まった聴衆は10人にも満たない。
衆院選に再挑戦しなかったことに、支持者が猛反発したようだ。
荒井には全国団体の後ろ楯もない。
裸一貫で出た荒井を、絶対に落としてはならないと思った俺は、
自分の選挙でもしたことがない行動に出た。土下座だ。
『こんな良い男はいません。このまま終わらせてはもったいない。
どうか彼を全国区に出させてあげてください』
事前の打ち合わせなど、一切していない。
荒井は、俺が土下座をしている傍らで、必死に涙をこらえていた」(続く)
追記
今月のプレジデントオンライン「高森明勅の皇室ウォッチ」は
少し前倒しして23日月曜日、午後1時に公開予定。
江森敬治氏『秋篠宮』を取り上げた。【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/
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