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笹幸恵
2022.4.13 18:18皇統問題

「日本維新の会」皇位継承の意見書

日本維新の会が、安定的な皇位継承の
あり方に関する意見書をまとめた。
政府の有識者会議が出した「皇族確保プラン」
(安定的な皇位継承ではない)のうちのひとつ、
旧宮家の男系男子を養子縁組するプランを
高く評価したという。

日本維新の会よ、それなら養子縁組の対象となる人を
まず発表しなさい。
そうでなければ絵に描いた餅だ。
いるかもしれない、いないかもしれない、
そんな根本的なことがあやふやな状態のまま、
よくもまあ「高く評価」なんてしたもんだ。
本気かつ現実的に、地に足つけて考えてみたのか?

しかも、その旧宮家系の男系男子とやらは、
今は国民だ。
その人たちを血統だけで選び取るなら、
憲法第14条に違反する。
また血統だけで選ぶなら、天皇家の血を引く人は
ごまんといる。どう整合性をつけるのだ?

いるかどうかもわからない、
いるということを「血」で言い張っても憲法違反、
どういう神経で「高く評価」したのか。

あげく、女性皇族が結婚後も皇室に残るプランは、
女系継承につながるとして「十分留意する必要がある」だと。

いまだY染色体を信奉する男系原理主義者が多い
保守層に阿った結果か。
本当に皇室のことを、未来の日本のことを
考えた結果とは到底思えない。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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