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高森明勅
2022.3.9 09:00皇室

「誡太子書」血筋だけでなく“徳”を身に付ける大切さを強調

天皇陛下が繰り返し言及しておられる
花園天皇の「誡太子書(かいたいしのしょ)」。
実に激しい内容だ。

例えば、次のような一節も。

「皇太子の周囲の愚人が、媚びへつらって、
こんなことを言うかも知れない。

『わが国において天皇たるべきは万世一系の
血筋の方と決まっている。
他国が王朝交替を繰り返して来たのとは事情が違う。
血統の権威があり、祖先や神々の助けもあるので、
むやみに優れた人格的価値(徳)を身に付ける為の
努力をしなくても大丈夫』と。
しかし、それは全く間違いだ」(意訳)

単に血統だけでなく、天皇たるに相応しい人格的価値を
身に付ける努力の大切さを強調している。 

天皇陛下が「研鑽(けんさん)」という言葉を
キーワードにしておられるのも、長年にわたって
同書の教えを拳拳服膺(けんけんふくよう=両手で物を
捧げ持つように、しっかりと心に銘じて守り行うこと)
して来られたからに他ならないだろう。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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