月刊誌「カレント」2月号から「皇室の春夏秋冬」という
連載を開始した(毎号4ページ)。大島前衆院議長インタビュー
同号巻頭には前衆議院議長だった
大島理森氏へのインタビュー記事が載っている
(インタビュアーは同誌発行元、
潮流社・代表取締役社長の室舘勲氏)。
大島氏は改めて言うまでもなく、上皇陛下のご譲位を可能にした
法整備に当たって、大きなリーダーシップを発揮された。「議長席から見て感じるのは、国会議員の先生方への敬意です。
たとえば衆議院で記名投票などがある際、衆議院の465人の先生全員と挨拶します。
先生方は皆、国民の皆様のために、あの厳しい選挙を勝ち抜いた
先生方なんだと思って挨拶をします。
選挙をくぐり抜けてきたことに対する敬意は忘れませんでした。
当然、意見が違えば論争はありますが、根底には先生方への敬意があります」国会議員は皆さん、国民の負托によってその立場におられる。
私も、その事実に対し、最低限の敬意は忘れてはならないと
銘記しているつもりだ。記事中、傾聴すべき発言が多くある。
「(国会の総意で皇室典範特例法を成立させることができて)
良かったと思いますが、まだ課題は残っております。
これは新議長、新内閣もとで、静謐な中で結論を
得てほしいという想いがございます」
―というのは勿論、皇位の安定継承への道筋をつけることだろう。被占領下の昭和天皇の“抵抗”
私の連載第1回は「神武天皇の即位にちなむ『建国記念の日』」。
「敗戦後、日本が被占領下にあった時期に、占領当局の圧力があり、圧倒的多数の国民が存続を望んでいた(昭和23年1・2月に
総理庁が実施した世論調査では81.3%の国民が希望)にも
かかわらず、祝日法の施行によって、いったんは平日と
されてしまいました(昭和23年7月)。この時、宮中祭祀の1つ『紀元節祭』も停止を
余儀なくされました。
それでも昭和天皇の強い意志によって、『臨時御拝』
という名称で、いささか簡素化しながら、その後も毎年、
途絶えることなく天皇のご拝礼が続けられました。平成になって『三殿御拝』と呼び方が改められ、
令和の今も天皇陛下によって揺るぎなく受け継がれています。
皇室には、全てを包み込む穏やかさの一方で、
大切なものは断固として守り通そうとされる厳しさ、
したたかさも、備わっているのです」
(“三殿”とは勿論、賢所・皇霊殿・神殿=宮中三殿)同号の編集後記に大きく私の連載を取り上げて戴いた中で、
上に引用した部分の最後、「皇室には…」という一文を
丸ごと紹介して貰った。
今回の拙文で最も伝えたかった箇所なので、嬉しかった。
理解ある編集者に出会えると、執筆にもより一層、
張り合いが生まれる。【高森明勅公式サイト】
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