『SPA!』2/8号で、倉山満が文字通りの乱文を綴っている。
言葉足らずのぶつ切りで、全く脈絡がない。
何が言いたいかわからない箇所をいちいち指摘していたら
キリがないので、ここでは書かない。
要点だけをまとめると、
女系天皇だけは絶対に認めないぞ!!!
ということを、本人なりに「あの手この手」で
語っているのだ。
以下、概略のみ記す。( )内は笹の声。
いわく、
有識者会議の報告書の案は、
「今すぐ秋篠宮家から皇位継承権を取り上げたい人や
日本の歴史を踏みにじりたい人」以外は納得してるぞ!
(そういうレッテル貼りで持論を正当化するのはやめなさい。
あまりに幼稚だ)
いわく、
バッシングに耐えかねて秋篠宮家から皇位継承権を
取り上げても、今度は「愛子天皇」がバッシングされるぞ!
(だから意味がないぞ!と言いたいのだろうけど、
これで脅せていると思っているのだとしたら、これまた幼稚)
いわく、
世界の流れは男女平等だからといって、
日本の皇室の歴史のほうが古いし、
歴史は古いほうが問答無用で偉いんだ!!!
(偉いって、なんだ?)
いわく、
男系継承とは「一般人の男子を皇室に入れないこと」だ!
女性は皇室に入っている。院政を敷いた女性までいるぞ!
だから現在の価値観を当てはめても意味がないぞ!
(「タネ・ハタケ論」。こんな理屈をこねくり回さずとも、
男系継承とは「女性が皇位を継承できないこと」だと
はっきり言えばいいのに)
いわく、
護憲派のジェンダー憲法学では、男女平等の観点から
皇室典範は違憲だと言っているが、皇室の伝統を踏みにじる気か!?
(本人も少数派の意見だと書いているのに、
ここでわざわざジェンダー憲法学を取り上げる意味がわからない)
とまあ、女性・女系天皇賛成派のごく少数の極端な意見を
取り上げて、レッテル貼りして攻撃して、
それによって男系原理主義を正当化しようという
きわめて精神的に未熟と言わざるを得ない手法で
見開き2ページを埋めている。
2点だけ、ツッコミを入れておく。
倉山はこう綴っている。
伝統と因習は紙一重であり、枝葉の細かいところで
変えるべきは変えるべきだが、幹の変えなくて良いものを
変えてはならないのは当然だろう。
伝統と因習が「紙一重」とは思わないが、
枝葉は変え、幹は残していく、という考えには同感だ。
ただし、何が幹か、ということを倉山ははき違えている。
幹とは、男系男子の継承ではない。
皇位の安定的な継承である。
天皇制が将来にわたって続くことである。
そのために必要なこと、変えなくてはならないことは何かを、
私たちは議論しているのだ。
にもかかわらず、それに真正面から向き合わずに
バッシングがどうの、古い歴史がどうのと、
些末なことにばかり目を付けて、これでもかと持論を展開する
視野狭窄ぶりは何なのか。単なる自己満足に過ぎず、
あまりに内向き。大局を見ろ。
とはいえ、倉山は男系男子(枝葉)に固執するがゆえに
皇位の安定的な継承(幹)そのものが揺らぐ、
ということに思いが至らないようだ。
前半でこう書いている。
このまま悠仁殿下がご無事に成長、即位。
そして次世代の皇子が即位すれば、日本の歴史は続く。
この一文で、問題の本質を何も理解していないことが、
よくわかる。
悠仁さまが即位したら、ほぼ自動的に次世代の皇子に続く、
と言わんばかりだ。
①結婚して、
②お相手が妊娠して、
③無事に出産して、
④それが男の子でなければならない。
単純に考えたって、現状では、この4つのハードルを
超えなければならないのだ。
しかも、努力ではどうにもならないことである。
悠仁さまと未来のお妃に、これを強いる権利が誰にあるのか。
ひとりの子供を授かることが、どれほどの奇跡か。
そのぐらいのこと、少しは想像してみなさい。
いい大人なんだから。
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