秘書みなが、喉が痛くて鼻水が出る、オミクロンに罹った
と言う。
そりゃ確かにオミクロンだ。
医療向け会員サイトのトップニュースに「オミクロンに
葛根湯」という記事が出てると泉美さんが送ってくれた
ので、「やっぱりな、わしもそうだろうと思っていた」と返し、
秘書みなに急いで知らせた。
「みなぼん、オミクロンの特効薬がついに発見された!
葛根湯らしい。すぐ葛根湯を飲め!」
「やっぱり風邪ですか。」
「馬鹿もーーーーーん!テレビじゃ専門家が風邪と言っ
ちゃイヤだと言ってるぞ!玉川徹は風邪でステイホーム
してることになるじゃないか!」
「だってあの番組、玉川徹だけがリモートですよ。他の
出演者は全員、スタジオに来てるじゃないですか。
オミクロンは風邪って知ってるんですよ。」
「し・・・失礼なっ!それじゃスタジオの連中は、内心、
玉川のクソ臆病を笑ってることになるじゃないか!」
「笑ってますよ。葛根湯を飲めばすぐ治る風邪を怖がって
家から出てこない男なんて馬鹿の極致でしょう。」
「し・・・失礼なっ!確かに葛根湯を飲めば24時間で治る
らしいが、世の中にはPCR検査に行列作ってる一般人
だっているんだぞ!」
「かわいそうに、玉川に洗脳された玉川クロンでしょう。」
「おまえはPCR検査に行かんのか?」
「誰が行くか!確実に陽性!確実に隔離なのに!」
「よーーーーし、えらい!」
「今日のランチで肉食わしちゃるけん、原稿と雑誌、
持って来てくれ!」
「わ――――い!肉だ!肉だ――――!」