ゴー宣DOJO

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笹幸恵
2022.1.7 19:27皇室

皇室を崩壊の危機に追いやっているのは誰か?

今週(1/13号)の週刊文春、週刊新潮。

週刊文春は、新年ワイドの一部に秋篠宮家の記事を載せている。

「秋篠宮 小室さん不合格で想定外
待ち受ける 2022年 三つの壁」

一つめは小室さんの司法試験合格の厳しさ、
二つめは佳子さまのご結婚がどうなるか、
三つめは悠仁さまの進学先について。
以上、ほとんどこれまでの記事の焼き直しで
構成されている。

週刊新潮は、年末からスタートした短期連載
なぜ「皇室崩壊の危機は訪れたか」の第二回。

第一回に関するブログはこちら。
「週刊新潮の皇室分析、あまりに厚顔無恥」
https://www.gosen-dojo.com/blog/33320/


「秋篠宮」皇室伝統への”反発”と題する今回の記事は、
眞子さんの結婚にまつわる「公と私」、そして
秋篠宮さまの過去の発言をもとに「兄上を軽んじている」
(だから子供たちにもその影響が出ている)とする内容。

新潮は次のように記している。

今回の騒動でクローズアップされたことの一つに、
皇族のお振る舞いにおける「公」と「私」がある。
多くの国民の理解を得ないまま結婚に踏み切り、
戦後初めて婚姻の儀式を経ずに皇籍を離脱することに
なった眞子さんは、あわせて一時金も辞退。
まさしく皇室の歴史を塗り替えてしまったわけである。
加えて、小室家の抱える金銭トラブルにおいては、
皇族でありながら民間人同士の争いに介入、
挙句一方に肩入れして仔細な指示を出していたのである。

修正をガンガン入れたくなる文章だ。
(入れてみる)
①多くの国民の理解を得ないまま
→「多く」とはどのくらいを指すのか。
グラビアでは、毎日新聞と読売新聞のアンケートを紹介し、
数字こそ異なれど賛成・反対が半々。
これを「多くの国民を理解を得ないまま」とするのは曖昧で、
ミスリードにつながる。

②同じく、「理解を得ないまま」とすると、
眞子さまが国民を無視したかのような印象を与える。
発言できる機会が極端に少なく、また制約がある中で
彼女は懸命に国民の理解を得ようとしたではないか。
それに心を砕いたことを、一切なかったことのように表現するのは
果たして正しいか。

③婚姻の儀式を経ずに~一時金も辞退
→まるで眞子さんの意思でそうしたかのような印象を与える。
そうではなく、メディアや自称保守、そしてヤフコメに書き込む大衆が
そのように「させた」のだろう。完全にはき違えている。

④皇室の歴史を塗り替えてしまった
→これも眞子さんの意思(あるいは言動の結果)であるか
のように書くのはミスリード。彼女だって本意ではなかったはずだ。
そうさせたのは誰か? メディアと大衆が増長しまくって
叩きまくったからではないか。

⑤民間人同士の争いに介入~~仔細な指示を出していた
→全く正しくない。そもそも争いにすらならない、
小室母の元婚約者が「金返せ」と騒いだだけ。
その対処について眞子さんは希望を伝えていたに過ぎない(それも真っ当な)。
「介入」などという表現は、あまりに大仰。

悪意あるミスリードの連発。
しかも、これを前提として「公と私」を専門家に
語らせているから、さらにタチが悪い。

「自由恋愛そのものより、コロナ禍で強引に結婚を
進めようとしたことが国民の理解を得られなかった原因」
(小田部雄次)

「他国の王室に比べ、公務が少ない。公の感覚が
培われなかったのは公務が少なかったから」
(君塚直隆)

ちがう、ちがーーーーーーーう!
すべては、メディアと大衆がバッシングを続けたからではないか。
なぜ眞子さんのこれまでの努力を見ないのか。
なぜバッシングにさらされた心中を想像しようとしないのか。
少しも寄り添うことなく、「いじめは、いじめられたほうに
原因があります」と言わんばかりに、その原因を分析してみせる
ヒョーロンなんか、何の役にも立たない。

「公」とは、ほんの少しの「私」も許されないものなのか?
自由意思という、ほんの少しの「私」が入ったら、
「公」のためにやってきたことは全て否定されるものなのか?
「公」と「私」は、全く相いれない対立概念なのか?
他人が「無私であるべき」と強制できるのか? 何の権利があって??

コメントする専門家も新潮自身も、
自らの言葉が皇室を苦しめていることに
いい加減、気づけ。
彼らこそ、皇室を崩壊の危機に陥れている戦犯である。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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