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高森明勅
2021.11.15 10:01皇統問題

皇室に人権が無いなら今後、皇籍取得する国民がいるだろうか

天皇・皇室を巡る制度を“人権ゼロ”の身分制の「飛び地」と見る
憲法学説に影響されたのかどうか。

「天皇制」廃絶を望む左翼・リベラル系以外(保守?)にも、
皇室の方々の「人権」を認ようとしない論者がいるとか。

しかし、皇室には「いかなる奴隷的拘束も受けない」(憲法第1条)、
「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」(同第19条)などの
人権すら認められないことが、予め周知されているならば、
既に自由や権利を100%保障されている国民のうち、
一体、誰が婚姻を介して敢えて皇族の身分を取得しようと考えるだろうか
(悠仁親王殿下にせよ、女性宮家を制度化した場合にせよ)。

更に、もし国民の中の「皇統に属する男系の男子」が
新しく養子縁組によって皇籍を取得できる制度が設けられたと仮定しても、
それによって必ず(!)人権が“全て”剥奪されるという条件であれば、
普通の感覚を備えている人がそれに応じることは、にわかに期待し難いだろう。

だから、そのような論者は、本人の主観的意図がどうであれ、
結局、天皇・皇室を巡る制度を廃絶に追い込む方向に、
全力で加担しているに等しい。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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