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笹幸恵
2021.10.23 00:48日々の出来事

女性週刊誌3誌の温度差。

女性週刊誌、悪質の順番で紹介する。
断トツなのは『女性セブン』。
「小室圭さん『落胆と失望と涙』
3年ぶり再会の修羅場」
この頃ネット記事でもバッシングが激しいセブン、
反響があるのだろうね、紙でもえげつなさが炸裂している。
こちらは後述したい。

二番手は『女性自身』。
「小室圭さん『私も中傷被害者』で…疑問解明は幻に――
結婚会見で金銭トラブル釈明拒絶」
記事の要旨はこちら。
①秋篠宮さまが小室さんを「皇室が認めた相手」として
扱わないよう徹底している。
②小室母子の疑惑おさらい。
③味方になってくれている海外メディアの存在。
そこで、小室さんは「自分は被害者だ」とアピールする
絶好のチャンスだと、皇室担当記者が意地悪くコメント。
さらに別立てで眞子さまの就職先予測、
小室佳代さんの渡米計画予想。

ちなみに表紙と特集タイトルが異なっている。
表紙には、
金銭トラブル釈明拒絶「私も被害者」呆れた口実
(下線・笹)
と書かれている。
が、実際は記者が憶測を語っているだけ。
こんなものを「呆れた口実」などと言われるなんて
小室さんにとっては、とばっちりもいいところ。
悪意ある印象操作、捏造に等しい。
週刊誌というのは、こういうことをする。
だけど、女性セブンに比べたらまだマシ。

一番悪質でない、というか当たり障りのない記事で
まとめているのは『週刊女性』。
「眞子さま 〈籠城〉小室圭さんに届いた一通の『緊急書簡』」
①導入としてほとんど意味のないオルゴールの話
②会見の予想
③眞子さまのお印があるハンドタオルの売れ行き
④学習院初等科の初等科長が二人を憂うコメント
⑤皇嗣職が小室さんに出した茶封筒の中身
で、結局、封筒の中身は何だかわからない、というオチ。

最初から最後まで元ネタにちょい足しのつぎはぎスタイル。
女性誌はもともと、こういう類の記事(読んでも何が言いたいか
わからない。あるいは「だから何?」と言いたくなる内容)が
多いという印象を持っていたので、とくに感想なし。

さて、問題の『女性セブン』。
リードがまず凄まじいので、全文を紹介する。

すべてを置き去りにしてアメリカに渡った小室さんの、
3年ぶりの一挙手一投足に、日本中の関心が寄せられた。
一方、迎え入れる側の秋篠宮ご夫妻にあったのは、
手放しで喜べない懊悩ばかり。結婚相手との再会は、
愛する娘の将来に暗い影を落とした。

すべてを置き去りって!!!
セブンは、小室さんが問題解決から逃げて
アメリカに渡ったのだと言わんばかり。
紀子さまのお気持ちを代弁してみせる宮内庁関係者が
こうコメントしている。

「女性皇族が結婚する際の儀式も行えないような形で、
なぜ長女を嫁がせなければいけないのか。
金銭トラブルの処理をほったらかしにして勝手に渡米し、
トラブル処理にまで娘が引き入れられてしまった。
愛娘が不憫でならない、という紀子さまのお気持ちは
充分に理解できます」

完全に小室さんは悪者である。
3年以上も離れ離れで、NYで単身奮闘してきた
小室さんの努力は、全くスルーされている。

しかもこの記事全体が、じつに悪意に満ちたストーリーで
構成されている。概要はこんな感じ。

◆再会するから小室さんはさぞ壮快な気分だろう。
◆赤坂御用地の前で高揚感を抑えているぞ~。
◆だが、そんな夢見心地も吹き飛ぶ。
(なぜなら「赤坂東邸」での面会だったから。
私邸である「御仮寓所」じゃなかった!!!
小室さんは受け入れられていないのだ!!!)
(※笹注)御仮寓所での面会は、FRIDAYによれば感染症対策のため
◆これからの3時間半が修羅場になるとは・・・
◆小室さんが異変に気付いた
◆紀子さまの思い(前述の宮内庁関係者のコメント)
◆秋篠宮さまも小室さんに厳しく接したかも(別の宮内庁関係者)
◆紀子さまが泣きはらしたような目、明らかに落胆の色
◆小室さん、赤坂御用地を出る。朝と一変、
うつむき加減で、呆然とした様子

要するに、再会に心躍らせ調子に乗っている小室さんが、
秋篠宮家に拒絶されて呆然自失、という流れなのだ。
あるいは、秋篠宮家に歓迎されると思い込んでいる
ノー天気な小室さんが、面会場所にショックを受け、
さらに厳しい言葉を投げかけられて呆然自失、というストーリー。

どちらにしても、そもそも小室さんの心中など
誰も知る由もないし、普通なら、相当緊張していたと
見るのが普通だろう。
にもかかわらず、勝手に渡米して意気揚々と帰ってきて、
何だお前は!!!という設定になっているのだ。
で、その夢見心地が面会で異変に気付き、奈落の底に
落とされた、ざまあみろ・・・と言わんばかり。
何から何まで憶測で占められている。
「異変」の意味もわからない。
わざわざ「修羅場」と表現するのも意味不明。

今週の週刊誌、もっともゲスで悪質で醜悪なのは
女性セブンに決定です。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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