ゴー宣DOJO

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笹幸恵
2021.8.12 18:01ゴー宣道場

世の「理不尽」に、まだ見て見ぬふりをする?

岡山ゴー宣道場にゲストでお越しくださる
矢部万紀子さんのご著書『雅子さまの笑顔』を読了。
雅子さまのファッションの変化や、まばたきの回数で
その心情を推しはかり、分析してみせる。
「なるほどなあ」と思う点が多く、楽しく拝読。

一方で印象的だったのは、雅子さまの歩んでこられた道を、
同じ女性として、同じ均等法第一世代として、
我がこととして捉える視点だ。
「均等だったのは雇用機会だけ、会社は相変わらず男性ファースト」
という一文があるが、理想と現実とのギャップに
もっとも苦しんだ世代だと思う。
彼女たちの後に続く世代である私には、その苦労と
当時の空気感が何となくわかる。
女の人生は結婚がゴール、寿退社が女の幸せ、
結婚後は妻として夫を支えろ・・・。
それが当たり前として押し付けられることに、
ただ女というだけでなぜ???と、
20代の私は強烈な違和感を覚えていた。
同世代の女性は、多かれ少なかれ
経験があるのではないかしら。
振り返ると隔世の感がある。

けれど、今なお1980年代の価値観で止まったままの
世界がある。
皇室だ。
雅子さまの適応障害は、「実存のうつ」だと矢部さんは
著書で紹介されていた。
才能も実力もキャリアも関係なく、
ただ男子を産むことを期待される。
自分の経験と照らし合わせてみても、
この理不尽さは、本当に苦しい。

愛子さまについての記述にもハッとした。
物心ついて、自分が男でなかったことで
苦しんできた母を、愛子さまはどう見たのだろう。
どれだけ自分を責めただろう。
性別など、自分ではどうしようもないことなのに。

その「自分の努力ではどうにもならないこと」を
強いているのが、万世一系、男系男子などと
声高に叫ぶ自称保守派だ。
いい加減、その化石脳を何とかしなければ、
皇室を戴く「国体」そのものが消滅することに
なぜ気が付かないのか。

多くの国民は、皇室に尊崇の念を抱いている。
男でなければダメだ!なんて、時代錯誤も甚だしい。
彼らはノイジー・マイノリティだ。
しかし、ノイジー・マイノリティは「ノイジー」であるがゆえに
存在感を発揮する。
政府も有識者会議も、彼らに阿る。
声高に叫ぶことを潔しとしない一般的・常識的・良心的な
マジョリティーは、まさしく「サイレント」。
こんなんじゃ、ノイジーに敗北する。

サイレントのまま、「仕方がなかったね」で
終わらせますか?
次の世代に、「男を生まなければ存在価値なし」と
見なされる女性がいていいと思いますか?
あなたの持つ「常識力」は、無関心ゆえに
「なかったこと」になっても良いですか?
世の「理不尽」に、見て見ぬふりを続けますか?

変えるのは「今」しかありません。
雅子さまをはじめとする女性皇族を取り巻く皇室の環境を、
我がこととして捉える矢部さんの視点から、
私は大いに学びたいと思う。

まずは共に考えることから始めましょう!

岡山ゴー宣道場のテーマは
『女性天皇・女性宮家は不可能なのか?』
応募締切は8/17(火)、すぐそこです!


【第101回ゴー宣道場 in 中四国】
■テーマ:『女性天皇・女性宮家は不可能なのか?』
■日時:令和3年10月10日(日)14:00〜
■ゲスト:矢部万紀子氏(コラムニスト)
■場所:岡山市内
※当選した方にお送りするメールに会場を明記します。
■参加費:1,500円(税込、小学生以下は無料)
■応募〆切:8月17日(火)
※応募が定員を上回った場合、予定より早く締め切る場合があります。
■お申し込みはこちら↓
https://www.gosen-dojo.com/application/  





笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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