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笹幸恵
2021.6.25 19:39日々の出来事

経団連、ワクチンパスポートの提言

昨日、経団連がワクチンパスポートの
早期活用についての提言を行った。
「集団免疫獲得までの間、感染の拡大を防ぎつつ、
社会活動を早期に回復に導く際に有効」なのが
デジタル形式のワクチンパスポートだとして、
導入や活用を推し進めよという。

驚いたのが国内での活用方法。
ワクチンパスポートの提示によって
会場やイベントへの入場時の要件の緩和、
さまざまなサービスやキャンペーンが受けられる
ようにしてはどうかという。

冗談じゃないよ!
じゃあ何か?
ワクチンを打てない人は何らかのサービスがあっても
受ける権利はないということか?

もちろん提言書には、次のようにも記されている。
「ワクチンを受けていない方、受けられない方への
差別や偏見、不利益な取り扱いに繋がらないよう、
合理的な配慮を行うことが不可欠である」

この合理的な配慮がどんなもんかと
【合理的と考えられる活用の事例】を見てみると、こんな具合。
※( )内は笹の心の声

・自らの意思とは関係なく、アレルギーなどの理由で
接種できない方に代替措置(検査による証明)を用意すること
(※結局、何かで証明させようとしていることには変わりない!
自らの意思で拒否する人はサービスを受ける権利なし!?)

・選択肢や代替案なしに、ワクチンの非接種を理由に、
会場やイベントへの入場や使用を断られる(排除される)ことが
ないようにすること
(これは全く意味がわからない。
合理的な活用例は「合理的な対策をとること」と
言っているだけに過ぎない)

結局のところ、ワクチンパスポートを導入したら、
差別や偏見を助長するのだ。
これを防ぐための合理的な活用方法などというものはない。
第一、パスポートが導入される前からすでに
同調圧力を伴った差別や偏見が医療現場などで
起きているではないか。

挙句に、アナログよりデジタルだとして、
こう綴っている。
「その際、プライバシーに配慮をした上で、
マイナンバーを軸に、個人のマイナポータルに
ワクチン接種履歴を連携できるようにすることが
求められる」

プライバシーに配慮したデジタルツールなどと
いうのはじつに欺瞞的、絵空事だと私は思っている。
すべてそれらはデータとして蓄積され、紐づけされ、
いつどこで誰が悪用するかわからない。
目先の便利さに心奪われて、プライバシー丸裸状態の
管理社会が出来上がってしまうのではないか?
(と考えるのが普通ではないか?)

ワクチン接種がコロナ終息とほとんどイコール、
ワクチン絶対”善”として綴られているこの提言書、
まさにワクチンファシズム。

 

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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