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笹幸恵
2021.5.21 12:16日々の出来事

東京都…迷走ここに極まれり。

買い物があって隣町の繁華街に行った。
平日昼間だというのに結構な人出
(みんなマスクしてるけど)。
いいぞ、いいぞ~~~と思いながら歩く。

緊急事態宣言の延長で閉まっていると思っていた
ショッピングセンターがオープンしていた。
ちょっと様子を見に店内に入ったら、
ファッション売り場に「15%オフ!」のPOPが。
おおお~~~、素晴らしい。
あ、こっちにも「オフ」、あっちにも「オフ」。
結局、ウィンドウショッピングで全部の階を
制覇してしまった。
ふー疲れた。

向かいの百貨店もファッション売り場の多くがオープン、
人の出入りがそれなりにあった。
小池都知事は当初、生活必需品以外は休業せよと
要請していたが、12日以降、宣言が延長されると
百貨店の服売り場なども軒並み店舗を開けた。
そりゃそうだ。
何が生活必需品かなんて人それぞれ。
新しいワンピースが必要になるときもあるだろうし、
ゴルフウエアがどうしても必要になる人だって
いるだろう。
真珠のネックレスが必要な人もいる。
あらゆる客の要望に応えてこその百貨店だ。
私の用事はショッピングセンター内の
100円ショップだったけれども。

ところが都知事、今度は豪奢品は
生活必需品ではないと言い出した。
いや、だからそれは人それぞれ。
都知事が決めることではない。

一体何をしたいのだろうか。
感染拡大防止が大義名分だったはずだけど、
そのうち「人流」の抑制が目的になった。
手段が目的と化した典型的な例だ。
その「人流」とやらを抑えるために
今度は豪奢品は生活必需品ではないと言い出す。
決定的に論理が破綻している。

そりゃ豪奢品はスーパーと違って
毎日多くの人が通うような場所ではない。
だからそこに行く人を抑えたところで、
「人流」の効果的な抑制にはつながらない。

迷走ここに極まれり。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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