ゴー宣DOJO

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笹幸恵
2021.4.27 18:20ゴー宣道場

ミュージカル千秋楽

ミュージカル『モーツアルト!』に行ってきた。
10年ほど前に見て以来、忘れられないミュージカルのひとつ。
再演されてもあまりの人気でチケットが取れなかったけど、
今回は取ることができた。
が、ここに来て東京も緊急事態宣言。
しかも夜8時になったら飲食店の営業どころか
ネオンも消せという灯火管制。
戦時中か?
空襲でもされるのか?
正気か!!!???
怒髪天を衝く勢いだったけども、ハッと我に返って
ミュージカルの劇場がどう対応するのか検索してみたら、
猶予期間を設け、今日まではやるとあった。
明日のチケットを取った人は、もう観られないのだ。
何という暴挙。
やっと観られると待ち望んでいた人は
多かっただろうに。

私の家族は、今月末、クラシックコンサートに行く予定をしていた。
こちらもチケットがなかなか取れないコンサートだという。
ところが会場が東京都の運営だから、緊急事態宣言発出後に
即中止&閉鎖。
払い戻しの手続きをしていた(これがまた手間がかかる)。

自由が奪われている。
権利が奪われている。
鑑賞チケットならまだいい。
これが生活に直結し、死活問題になる人がいるのだ。

ミュージカルを終えて、キャストが挨拶。
今日が東京公演の千秋楽になってしまったことへの
悔しさを口にしていた。
人の努力や人生の楽しみ、喜び、そして命そのものまで
踏みにじり、奪う権利など誰にもないはずだ。
「人流」などと言って、人を物流のコマであるかのように
捉えてコントロールしようとする都知事も府知事も政府も、
兵の命は消耗品とばかりに火力なしで
突撃させていた軍上層部と何が違うというのか。
戦時中はまだ大義があった。
今、その大義はあるか?
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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