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笹幸恵
2021.3.11 14:32日々の出来事

震災から10年・・・。

東日本大震災から10年。
メディアはコロナ一色だったのが、
「震災10年」一色に。

ただ、いつも思うのは、被災者にとっては
10年だろうが何だろうが関係がない、ということだ。
数字としてキリがいいから「10年の節目」などと
表現され、これがまた人々の耳目を集めるのだけど、
本当はそうじゃない。
10年目を迎えたから何かがガラリと変わるわけではない。
今日は昨日の延長であり、今日は明日へと続く。
歴史には残らない少しずつの変化の積み重ねがあり、
振り返ってみたとき、ようやくその違いに気付く、
というのが本当だろう。

「戦後」も同じ。
毎年、8月になると戦争特集、
70年とか75年とか、キリのいい数字になると
その年めがけて報道されるようになる。
兵士たちにとって、遺族たちにとって、
失った友や肉親への思いが75年の節目を境に
ガラリと変わることはない。

もっとも、書く側にいる人間にとって、
この節目のときを狙わざるを得ない、というのも
現実としてあり、忸怩たる思いがする。

14時46分、震災で亡くなった方々に黙祷を捧げます。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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