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笹幸恵
2021.2.25 17:17メディア

週刊文春、週刊新潮の曲解記事。

本日発売の週刊文春、週刊新潮ともに、
天皇陛下が眞子さまのご結婚に反対されたかのような
記事が掲載されている。

「天皇がついに“裁断”
眞子さま小室圭さん 結婚に『NO』」
(週刊文春)

「天皇陛下が『眞子さま』に苦言!
『結婚には国民の納得が必要』」
(週刊新潮)

NO?
苦言??
どうしてそんなことになってるの?と
両記事を読んでみると、何のことはない、
天皇陛下のお誕生日に際してのおことばを、
宮内庁担当記者や皇室ジャーナリストや
秋篠宮家の事情を知る関係者とやらが
あーでもない、こーでもないと好き勝手に
語っているに過ぎない記事だ。

天皇陛下が眞子さまについて言及された部分は
次のとおり。

眞子内親王の結婚については、国民の間で
様々な意見があることは私も承知しております。
このことについては、眞子内親王が、ご両親とよく話し合い、
秋篠宮が言ったように、多くの人が納得し
喜んでくれる状況になることを願っております。

私は、このおことばを報道で読んで
「そうだよね。皆で喜びましょうよ、寿ぎましょうよ」
と思ったのだけれど、
週刊文春は、この言葉を皇室ジャーナリストに
「分析」させて、次のように断じている。

つまり、現状のままではお二人の結婚に「NO」を
突き付けざるを得ないという“裁断”を、天皇が
公の場で示されたのだ。

ええ~~~。
天皇陛下はもとより、皇室ジャーナリストだって
そんなふうには言ってないけど!
(※「つまり」という接続詞は、これまでの主張を
言い換えたり、要約したりするときに使用する)

つまり、どう転んでも「つまり」にはならないことを
「つまり」にして、要約(本質)っぽく読ませる。
そしてこれをタイトルに使うという、週刊誌の常套手段。
ついでに小室さんの論文をニューヨーク州弁護士に
読ませて、ケチをつけている。
全く余計なお世話だ。

週刊新潮にいたっては、憶測に憶測を上塗りするという
漆塗りタイプの記事構成。
まずもって、眞子さまが、天皇陛下のおことばによって
結婚容認の気運が高まるのではないかと期待されていた、
という憶測(事情をよく知る関係者)が前提にあり、
天皇陛下はそんな眞子さまの思いを突き放した、と
する憶測でまとめている(宮内庁担当記者)。
その後も、小室さんはロースクールを修了しても
不安定な暮らしが続くことになるだの、
“髪結いの亭主”を狙っているだのと
こちらも余計なお世話だとしか言いようのない
記述が続く。
さらには、ノルウェー王太子妃の例(婚約時に
過去の素行が報じられたが、涙ながらに懺悔し、
「これからの私を見守ってほしい」と訴えた)を
紹介し、これが参考になるという。
これって、小室さんに涙ながらに
国民に懺悔しろっていう意味?
週刊新潮、上から目線に過ぎる。
コロナ報道は、いつもまったく溜飲が下がる思いで
読んでいるのだけど・・・皇室に関しては
まったくの曲解。甚だしい曲解。
悪質と言っていいくらいだ。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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