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徒然草気まま読み#109
「上には上がある」
配信しました!
今回扱うのは、第百七十七段。
前半を紹介すると…
鎌倉の中書王にて御鞠ありけるに、雨ふりて後、
未だ庭の乾かざりければ、いかゞせむと沙汰ありけるに、
佐々木隱岐入道、鋸の屑を車に積みて、
多く奉りたりければ、一庭に敷かれて、
泥土のわづらひ無かりけり。
「取りためけむ用意ありがたし」と、人感じあへりけり。
親王の御所で蹴鞠が催されることになっていたのだが、
雨が降って庭がぬかるみになっていた。
そこに佐々木隱岐入道がおがくずをたくさん車に
積んで持ってきて庭に敷いたので、蹴鞠を行うことができた。
用意のいい人だと、皆が感心して
その話をしていたのだが、
その評判がたった一言でひっくり返る。
思い込みで評価をしていたら、
簡単なことで足をすくわれる。
なんだかいつでもどこでも
起こりそうな話で、用心用心。