国会の首相指名選挙で菅義偉氏が選ばれ、皇居で天皇陛下による
「任命」を受けて、正式に首相になられた。菅新首相は、上皇陛下のご譲位を可能にした特例法が
成立する迄のプロセスと、それを後押しした国民の思いを、
誰よりも熟知しておられるはずだ。その際の附帯決議の“重み”についても、身に沁みて
分かっておられなければおかしい。
同決議には以下のようにある。「政府は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、
女性宮家の創設等について、皇族方の御年齢からしても先延ばしできない
重要な課題であることに鑑み、本法(特例法)施行後速やかに…検討を行い、
その結果を、速やかに国会に報告する」と。特例法が施行されたのは、改めて言う迄もなく、平成31年4月30日。
それから既に1年半近くが経過している。
今上(きんじょう)陛下のご即位に伴う一連の儀式も、昨年中に終わった。秋篠宮殿下の「立皇嗣(りっこうし)の礼」は、新型コロナ禍の影響で
延期されたままであるが、元々、皇位継承に伴う儀式とは明らかに
区別すべき性格のものだ(旧皇室典範の下、皇位継承儀礼は全て
「登極〔とうきょく〕令」に一括して規定され、一方で、“立太子〔りったいし〕の礼”
はそれとは別に、「立儲〔りっちょ〕令」に定められた)。決議に、「先延ばしできない重要な課題」故に「速やかに」
着手すべきことが求められている、「安定的な皇位継承を確保するための」検討を、
これ以上、遅らせる理由はどこにもない。
河野太郎行政改革担当大臣の訴えも記憶に新しい。
菅首相の英断に期待する。【高森明勅公式サイト】
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