昨日22時~のNHK歴史秘話ヒストリア。
古墳時代とか法隆寺とか、いろいろな切り口で
放映してくれるので結構好きな番組だ。
今回はガダルカナル島戦だった。
一木支隊と川口支隊に焦点を当てた番組としては、
よくできていたなあと思う。
二見参謀長の人柄もよく表れていた。
第2師団、第38師団が出てこないけど、尺の問題か?
小尾少尉の日記は、あそこからの生命判断が
すごいところなのになぜ紹介しない!?
などなど、いろいろ言いたいことはあるけれど、
私が良かったと思うのは、何より戦争は一面的な
ものの見方では語れないということ、
その複雑さを複雑なまま見せてくれたことだ。
川口支隊は米司令部まで肉薄していた。
ガ島戦といえば、「兵力の逐次投入=失敗」、
としか見ない一面的な理解とは違う。
あともう少しで勝てるかもしれなかったのだ。
以前、ブログでも書いたけれど、
ガ島の戦訓は「逐次投入」ではなく、
「拙速を尊ぶ」になる可能性があった。
なぜ失敗したか。
ヒストリアでは、火力の問題をあげていた。
さらに、米軍の飛行場を整備する映像も流していた。
あの飛行場の土台となるランディングマットと
ブルドーザーの映像は、太平洋戦線において
じつに象徴的だ(と私は思っている)。
さらには大本営の陸海軍の縄張り意識やプライドなど、
どこの組織にでも生じうる問題にも触れていた。
輸送船がもはやガ島に到達できないことも描いていた。
「ガダルカナル島は兵力を逐次投入して失敗した、
だからやるときは一気にやらなきゃダメだ」
と言っていた玉川徹さん、
「うまくいかないと思っていても、決めたことだから、
空港を奪還しなければいけない」
と日本軍を批判していた玉川徹さん。
ヒストリアの番組がガ島戦のすべてを描いているとは
いわないけれど、せめてこの番組くらいは見て、
自分の一面的な理解と思いこみを反省してほしい。
あなたが思うより、戦争は(そして世の中は)、
複雑にできている。
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