ゴー宣DOJO

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泉美木蘭
2020.4.20 23:20

コロナの愚痴だよ

こういう時だから、できればブログは笑える話か、
ワイドショーをテキパキ斬るかにしときたいんだけど、
ちょっといいですか。暗いですよ。

実は先週、親しくしていた人が亡くなったんです。
コロナじゃないよ、もともと2~3年前から、かなり身体が
悪くなってきていた様子だったのでね。
でもこのご時世で、集まってお弔いはなしということで、
とっても悲しくなった。
共通の知人が、LINEでその人の動画を送ってくれたりして、
ちっちゃい画面見ながら、ぽちぽちスマホで会話したり、
自分のスマホに残っていた、亡くなった人からのメールを
読み返したりしていたんだけど、
気分が内側に入り込むばかりで情けなかったです。

ま、すごくカッコいい不良の先輩みたいな人だったから、
さめざめお別れってのも違うなと、気分は切り替わりましたが、

なんかもう、全てコロナというのが本当に頭にきます。
誰もがコロナだけに左右されていて、
コロナの死の恐怖しか見ちゃいけない、というような状態に
なってしまっているのがね。

私は周囲でわりと人が亡くなります。
高齢の人ももちろんいるけど、同年代で急死する人だっていました。
だから私もいつ死ぬかわからんなあ、みっともない生き方してたら
いかんなあという思いが年々強くなっているんだけど。

一緒に本を売ったりしていたパートナーは、2日後に会う約束をしたと
思ったら、翌日、すっと心臓が止まって死んじゃいましたし、
仕事にまじめだった40代の男性が、ある日、集合場所に姿を現さず、
知人がマンションへ見に行ったら、脳出血で死後硬直していたという
のもあった。
昨年は、半年前まで顔を見ていた同年代の女性が、突然亡くなって、
その彼氏から、進行の早い癌だったけど、絶対に誰にも言うなと
口止めされていた、美容の仕事をしていた彼女だから、みじめな姿を
絶対に人には見せないというプライドがあったと聞かされて、
すごく驚いた。

だから、コロナですごく大変だった、コロナつらいですよという
メッセージ的な映像がテレビを通して流されると、
私の親しかった死者たちが、「なんだかねえ」って言ってるような、
そんな気がしてため息出ちゃうんです。

でも「コロナ怖い」に左右されなきゃいけないみたいだよね、
いまの世の中。
そんな世の中が怖いです。

ああ、暗い、こりゃ暗いぜ!

暗いから最後におもしろい話を付け足しておきます。
実家の母が、喉の痛みを感じて、マスクをつけたまま近所の内科を
受診したそうです。
「じゃあちょっと喉見せて」と言われたので、母、マスクをずらして
口を開けたそうですが・・・

普通、そういう時って、マスクを下にずらしてアゴにかけるでしょ?
母、上にずらして、顔にかけて口開けたんだって。

「めちゃくちゃ笑われた!」
「どっちにずらそうが自由でしょ!」

と、ぶりぶり怒っています。
見習いたい。相変わらずおもしろい母です。
診断はなんてこともなくて、笑いを提供して、うがい薬だけを
もらって帰って来たそうです。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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