秋篠宮殿下が「皇嗣」でいらっしゃることを、
天皇陛下が改めて明らかにされる立皇嗣の礼。内閣の責任で国事行為として行われる。政府は何故か、これを御代替わりに伴う一連の行事に位置付けた。しかし、旧皇室令では、即位の礼や大嘗祭は「登極令(とうきょうれい)」で、立太子の礼は「立儲令(りっちょれい)」で、という具合に、両者はその性格の違いを踏まえて、それぞれ別に規定されていた。ご譲位が御代替わりの一般的な形だった前近代においても、
それらが一連のものとされた事実は無い(勿論、立“皇嗣”の礼そのものは
全く前例が無いのだが)。
だから、政府の位置付け方それ自体に、元々無理があった。
だが、それはともかく、立皇嗣の礼は4月19日に予定されている。
政府はその予定を変更するつもりは無いのか、どうか。去る7日に、新型肺炎の感染拡大を受けて「緊急事態宣言」が発令され、
少なくとも5月6日までは“緊急事態”下にある。
そんな局面で、本来、皇嗣のお披露目として、お目出度い性格を持つはずの
儀式を行うことは、果たして天皇陛下と秋篠宮殿下のお気持ちに添うのだろうか?又、国民も今、屈託なく、晴れやかにお祝いできる雰囲気だろうか。
敢えて繰り返すが、この儀式は国事行為である以上、内閣の責任で行うもの。
もし内閣がその重要性を理解しているならば、儀式の延期を決断するのが
至当ではあるまいか。
少なくとも、それが皇室を敬う気持ちを持つ者の、普通の考え方だろう。【高森明勅公式サイト】
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