3月8日に岡山で開催されたゴー宣道場。
この機会に、前後のスケジュールを調整して、
1週間ほど倉敷に滞在するつもりだった。
普段、高齢の母への孝養を尽くせていないので、
しっかり何日か見舞いを重ねたかったからだ。ところが、新型肺炎の感染の恐れから、
ガラス越しでなければ面会できないという。
それではかえって辛い気持ちにさせかねない。
だから未練を残しながら、道場翌日には帰路についた。道場開催の前に、倉敷美観地区のはずれにある古本屋
「ムシ(虫が3つ)文庫」を覗き、4冊の本を買った。
又、地元の新刊本屋の宮脇書店で岡山関連書籍を購入。柴田一氏監修『岡山「地理・地名・地図」の謎』
(平成26年、じっぴコンパクト新書)と
昼間たかし編『地域批評シリーズ24 これでいいのか岡山県』
(平成30年、マイクロマガジン社)だ。それぞれ、私のような岡山県出身者には興味深い。
例えば、岡山駅前に「桃太郎」の銅像があるなど、
岡山と言えば桃太郎というイメージが様々な場面で
“売り込まれ”ている。だが、「じつは、岡山と桃太郎が結びついたのは昭和に入ってから。
1930(昭和5)年の出版物で吉備津彦命(きびつひこのみこと)が
桃太郎だという説が発表され、1962(昭和37)年の岡山国体の際に
そのイメージが全国に定着」したという。あるいは、作家・横溝正史(よこみぞせいし)の
金田一耕助シリーズの中でも有名な『八つ墓村』のモデルは、
岡山県内の大量殺人事件「津山事件」だったが、その事件が起きた
場所は(津山事件と呼ばれているのに)実は“津山”ではなかった
(平成17年の合併後やっと津山に)、等々(どちらも『謎』から)。『これでいいのかー』を読むと、「岡山県出身の有名人一覧」
という表が掲げられていた。歴史上の人物も含めて、40人ほどの名前が挙げられている。
鎌倉仏教の臨済宗の開祖・栄西や、浄土宗の開祖・法然、戦国大名の
北条早雲、昭和前期の5・15事件で暗殺された当時の首相・犬養毅(つよし)
などは、歴史教科書にも登場するだろう。
現代では少女漫画家の一条ゆかり氏や俳優のオダギリジョー氏とか。
そんな中に、“神道史家”という肩書きで不肖私の名前も。
どんな手違いだろうか。
私ごときが有名人扱いされるようでは、「これでいいのか岡山県」
と言われてしまうのではないか。【高森明勅公式サイト】
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