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笹幸恵
2020.3.3 14:44日々の出来事

スーパーで安全保障を考える。

スーパーに行ったら、大量の買い物をしている
おばちゃんがいた。
カゴに刺身やらサラダやら冷凍食品やらが山盛り。
そのカゴが4つも5つもある。
一斉休校になった子どもたちの面倒を見ている人かも
しれないし、自身が引きこもる準備かもしれない。

一人でどうやって運ぶんだ???
と思いつつ、店内を見渡してみる。
買いだめ、買い占めはいつどこで何に起きても
もうおかしくないんじゃないだろうか。
マスクやトイレットペーパーだけならまだしも、
これが食料にまで及んだら一体どうなるのだろう。
この棚も、あの棚もカラになるだろうなあ・・・。

そしてもしウィルスが原因で輸入が途絶えたりしたら、
日本はあっという間に干上がってしまうだろう。

日本の食料自給率は40%。
先進国の中で最低水準だ。
農産物の輸入額は世界第一位。
アメリカや中国、オーストラリアなどが
輸出禁止措置をとれば、どうにもならない。
生活必需品だってそうだ。
身の周りにあるものの多くが中国産、
メイドインチャイナ。
あらためて思う。
日本の生殺与奪の権は、他国が握っている。

安全保障は、何も軍事力だけに限らない。
グローバルだのインバウンドだのと
経済至上主義のカタカナ語が氾濫しているけれど、
皮肉なことにそれがウィルスをまきちらし、
私たちは経済活動そのものがマヒしかねない
事態に陥っている。
自分で自分の首をしめたようなもの。
といって、今さら鎖国するわけにもいかない。
だったらせめて食料自給率くらいはアップさせないと。
とりあえず自国民が食べていけるだけの食料は
キープしないと。
世界中が日本との貿易を拒否しても、
何とか国民が生き残れるように。
それがまずは安全保障の基本だろう。

便利さにあぐらをかいた、まやかしの平和。
じつは、綱渡りの日常。

ストック用に冷凍餃子を一つカゴに入れた。
といっても、これも中国産の野菜とか
入ってそうだよなあ。
大いなる自己矛盾を抱えて店を出た。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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