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泉美木蘭
2019.12.30 14:48

世の中の感覚から乖離してる人

今月4日にさいたまスーパーアリーナで行われた「U2」の
来日コンサートでは、世界で活躍する女性を讃える演出が
あり、ステージ上の巨大スクリーンに、芸術家の草間彌生、
コムデギャルソンの川久保玲たちと共に、伊藤詩織さんの
写真も登場したそうだ。

「本当に性犯罪被害を受けた女性は記者会見の場で笑ったり、
上を見たり、テレビに出演してあのような表情をすることは
絶対ない」などと言ってのけた男、
しかもそれを女性記者から追及されると、
「私がほかの方から言われたことを、そのままお伝えした」
などと言って逃げを打った男と、その男を擁護する人々は、
完全に世の中の感覚から乖離してしまった酷い状況だ。

小川榮太郎氏は、森友・加計問題を「朝日新聞の報道犯罪」
とまで言って、テレビは権力批判の放送時間配分が長すぎる
とか、いちいち秒単位で計測してめちゃくちゃなことを主張
していた。
その際、権力の代弁者として活躍していたジャーナリストの
1人は山口敬之氏だった。

そして、その山口氏を擁護するという段になると、小川氏は、
マスメディアの報道を抑止する必要があるとか、
「人類の歴史における大きな問題」とまで言いはじめている。
小川氏がアメリカ人だったら、アフガニスタン・ペーパーズも
「ワシントンポストによる戦後最大級の報道犯罪」ってことに
なるのだろうか?

小川氏は、森友問題を、メディアによる「人民裁判」「粛清」
などと言っていたけど、
山口氏については「世界中のメディアレイプを受けてい
ということに
なっているらしい。
「こっちはもっとすごい被害者だ!」と言うために、どんどん
誇大妄想が爆裂している。

 

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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