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泉美木蘭
2019.12.20 13:53

フジテレビ『バイキング』の伊藤詩織さん特集を見た

坂上忍司会のフジテレビの昼番組『バイキング』が
1時間近くもの時間をとって、伊藤詩織さんの事件を
特集して、山口敬之と官邸との近さや、
ホテルのドアマンの新証言の存在にも触れていた。

ただ解説者席の弁護士が、刑事は相当強い立証が必要で、
民事はそこまで必要ないものだとか、
逮捕状が出されたのか、それが停止されたのかはわからない
というようなことを言っていた。
それではまるで『Black Box』に嘘が書いてあるかのように
聞こえてしまう。

そもそもこの事件は「刑事と民事の違い」という話でなく、
刑事事件として裁かれる以前に、
逮捕状の執行が停止され、警視庁捜査一課が突然出てきて、
それまで捜査していた所轄の刑事から事件を取り上げ、
そして不起訴にして終了させられてしまったのだ。

さらに、逮捕状の執行停止については、
当時の警視庁刑事部長・中村格が『週刊新潮』の取材に対して

「私が決裁した。(捜査の中止については)指揮として当然だ
と思います。自分として判断した覚えがあります」

と発言している。

▽デイリー新潮
官邸お抱え記者「山口敬之」、直前で“準強姦”逮捕取りやめに
警視庁刑事部長が指示
(週刊新潮 2017年5月18日号掲載記事)
https://www.dailyshincho.jp/article/2017/05180801/?all=1&page=1

この異常さを追及しなければいけない。

しかし、山口敬之氏の発言はあまりにひどいな。
記者会見での発言が、映像とパネルとで流されていたけど、

「彼女はウソをつく傾向がある」とか
「でもこの場では攻撃したくない」とか。
「本当に性被害にあった方は
『伊藤さんが本当のことを言っていない
それから例えばこういう記者会見の場で
笑ったり上を見たりテレビに出演して
あのような表情をすることは絶対ない』と
証言してくださったんですね」とか。

出演者たちも違和感を表明していたけど、下劣すぎて反吐がでる。

特集では、日本が世界からどう見られているかということにも
話が及び、政治の世界を「男尊女卑」「野蛮だ」と自然に語り、
女性議員の少なさについても発言があったのが良かった。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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