昨日の朝刊1面が日本の高校生の「読解力」が落ちている
という記事で、すごく気になっていたので、
今日はその実際のテストを探し出して、自分で解いてみた。
なるほどな。大人でも解けない人が多そうだ。
ライジングで書いてみる。
中学生の時だったと思うけど、国語の試験でいまでも印象に
残っているのが、竹西寛子の『蘭』という短編を題材にした
問題だった。
いや、問題の内容は忘れたけど、作品がね。
戦時中のむさ苦しくて身動きの取れない満員列車のなかで、
歯が痛み出して苦しむ息子が、耐えかねて父親に訴えると、
父親が、日頃から自慢していた祖父の形見の蘭の絵の扇子を
出して、いきなりそれを二つに引き裂き、骨を楊枝にして
差し出すという話。
なんだか試験中なのに、物語の中の息子と同じ気分になって、
やたらと衝撃を受けて、
その後、全文読みたくなって図書館で借りたのだった。
全文といっても、10ページもないんだけど。
この短編の読解は、合理的な人間関係ばっかり考える人が
増えた現在では、かなり難しくなってるかもしれない。
人が心のなかで感じ取っていることを、論理的かつ具体的な
言葉で説明しないタイプの作品だから、
「え、この息子、なんでこんなに衝撃受けたのかわからん」とか
「えっ、父親に扇子を裂かせたのは息子以外の誰なん?」とか
はてなマークがいっぱいつきそう。
読んだことある人がいたら、語り合いたいぜ。