百田尚樹氏が、フリップ片手にY染色体の解説を
している動画を見たんだけど、むちゃくちゃだった。
いわく、
父親[XY]と母親[XX]の間に生まれた子は、
男[XY]か、女[XX]になるが、
娘の女[XX]が、男[XY]と結婚して生まれるのは、
男[XY]男[XY]か、女[XX]女[XX]になる。
最初の父親の[Y]は、もちろんここで途絶えるし、
最初の父親の[X]が遺伝する確率は2分の1しかなく、
ここで完全に一切なくなってしまう可能性がある。…と。
力いっぱいの解説だったけど「なに言ってんだろ、この人…」
としか思えなかった。
私の息子は、2分の1の確率で、私の父親の孫ではない、
と言われたようなものなんですけど。
娘が出産して、
「おぉ~、なんたるやかわいい孫! ついに生まれた~!
けど、2分の1の確率で性染色体が遺伝してないな~…」
とか、どこの誰が意識してるんでしょうか。
変な話だなあと思って染色体のこと調べてみたら、
国立成育医療研究センターが2015年に発表した、
「日本人男性のY染色体構造変化と精子形成障害の
関連を解明(無精子症・乏精子症による男性不妊の
診療に役立つ可能性)」
https://www.ncchd.go.jp/press/2015/topic150118-1.html
という報告のなかに、
子どもがいる男性の40%で、
Y染色体の広範囲を占めるAZFという領域が、
高頻度に構造変化を起こしている
ということが、明らかにされてるんですけど。
「Y染色体の構造変化が従来想定されていたよりも多様であり、
かつ高頻度に起きることが明らかとなりました。」
月刊ワイ読者のみなさん、絶対のYなんて、ないんだって!
もう「Yの喜劇」だよ。
こんなのにのっかってたら、末は「容疑者Yの乱心」だよ?