6月発売の『おぼっちゃまくん』のコンテを描いたが、
貧ぼっちゃまを主人公にしたので、タイトルから
『貧ぼっちゃまくん』と描いてしまった。
もちろんシャレで驚かすためだ。
ところが編集部ではこれを見て、『おぼっちゃまくん』
を終結、『貧ぼっちゃまくん』が新連載で、今後ずっと
『貧ぼっちゃまくん』を描き続けて、単行本にする
つもりだと勘違いしたようだ。
なんでそんな誤解になるのか、さっぱり分からない。
『おぼっちゃまくん』を終わらす気などない。
茶魔は最強のキャラで、アホの極致だからギャグを
出しやすいし、その上、大富豪だから、ドラえもんの
ように夢を叶えることが出来る。
貧ぼっちゃまは、変人だがアホの極致ではないから、
ギャグとしては幅が限られる。
今回の『貧ぼっちゃまくん』では苦労したが、ある
キャラを出して、ギャグの出しにくさを乗り切った。
このキャラが誰かは、わしの相当なファンならば、
読めば喜んでもらえるはずだ。
『貧ぼっちゃまくん』はトッキーにも大好評で、
シリーズ化して欲しいと言ってるし、志儀君の疑問、
成績のこともあるので、また主人公にして描かねば
ならないと思っている。
だが、『おぼっちゃまくん』はまだまだ描かねばなら
ないエピソードがいっぱいある。
わしの創作ノートの中だけでも、30本はアイデアが
溜まっている。
映画やドラマを見るたびに、『おぼっちゃまくん』の
アイデアが浮かんでくる状態なのだ。
『貧ぼっちゃまくん』はあくまでも『おぼっちゃまくん』
の単行本の中に収めるシリーズである。
赤塚不二夫は『おそ松くん』を描いていたが、途中
から六つ子は全然出なくなって、イヤミやチビ太が
主人公になってしまった。
わしは赤塚ギャグを読みながら、ギャグ漫画は何
でもアリだ、読者を常に驚かせなければならないと
いうチャレンジ精神を学んだ。
今や赤塚不二夫の影響で、ギャグ漫画を描いている
漫画家などいないだろう。
だが、わしは赤塚が真髄だと思っているので、
それを発展させる思いで、描いている。
赤塚の精神を次に継承しなければ、ギャグ漫画は
死に絶えると思うので、わしは『おぼっちゃまくん』
を描き続ける。
そしてその中で、過去に描いたキャラも復活させ、
さらに新たなキャラも産みだそうと思っている。