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高森明勅
2019.3.26 07:00政治

レガシー作りと消費増税

消費増税の先送りがあり得ない理由として、
安倍首相の“レガシー作り”が指摘されている。
ちょっと回りくどい説明ながら、以下の通り。
 
「『もう(安倍)総理の任期中に北方領土問題は
解決できない』通常国会が始まって間もない2月初旬。
周辺にこう漏らしたのは、安倍晋三首相の主席秘書官、今井尚哉だ。
…『安倍が最も信頼する側近』とされる今井の言葉は、
永田町ではイコール安倍の言葉と受け止められる。
…もともと安倍は政権発足時より、自らなしとげる
『政治的遺産』(レガシー)の第一に『憲法改正』を考えていた。
しかし、野党はもとより、公明党・創価学会の
猛反発で改憲発議の環境整備すら進まない。
しびれを切らした官邸は、レガシーの本命を
『北方領土』に切り替えたとされる。
…ところが具体的な協議が始まると、
ロシア側からは、領土問題に対する厳しい発言と、
『さらなる経済協力』を求める声が相次いだ。
…今井の言葉には『北方領土返還』がレガシーに
なりえない焦りが滲んだ。
『この政権をモリカケだけで終わらせるわけにも
いかない』今井は、周辺に向かってこう続けたという。
では、新たなレガシーは?
直後に今井の口から出たのは…『教育無償化だ』
…教育無償化には1兆5千億円を上回る財源が必要だ。
財源の確保には、今年10月に予定される
消費税率10%への引き上げが必須。
増税の先送りはありえない」(赤坂太郎氏)
 
―このような筋読みだ。
消費に“罰金”が課せられるに等しい消費税の税率を、
レガシーの為に「引き上げが必須」というのは、
(永田町はともかく)一般の国民には腑に
落ちない話だ。
 
しかし今年は、その前に参院選がある
(更にその前には統一地方選挙も)。
 
ここでいかなる民意が示されるかが重要だろう。
 
4月ゴー宣道場では、後悔しない投票をする為に、
有益な討議を展開したい。
応募の締め切りが迫った。
締め切りが小林よしのり氏の最新刊、
よしりん辻説法2巻『皮肉な悟り』の
全国書店での発売日と同じ“3月27日”なのは、
偶然だ。
 
念の為。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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