今日は『ゴーマニズム宣言』第43章のコンテに入りたいが、
もう一押しの論理をシナリオに書き込まねばならない。
スタッフ諸君に言っておくが、「SPA!」の『ゴー宣』を
これからどんどん先まで描きためておきたい。
時流に影響しないネタで、ストックを4本、5本、貯めて
おいて、急遽描かねばならないネタが出てきたら、それを
大急ぎで描いて発表する。
とにかくストックを増やしたい。
そしてどこかで別の作品の描き下ろしを進めたいのだ。
スタッフはどうしても締め切りのために描く、締め切り
さえ守れば暮らしていけるというサラリーマン主義に
陥りやすい。
イチローが「クビになるんじゃないか」という危機感は
常に持っていたと言っていたが、あの感覚はわしにも
よく分かる。
結果が全て、完全実力主義のプロフェッショナルの世界
では、努力と挑戦しかない。
緊張感を絶やすことができない。
ましてや街の書店がどんどん消滅していく今の出版不況
の中では、努力すら報われないのが普通だから、新たな
挑戦は絶対に続けねばならない。
今の連載がノルマになったらおしまいなのだ。
この挑戦への意欲がなくなった時が本当の老化なのだろう。
漫画なんて子供の遊びの延長線に過ぎないのだから、
こんなもので食ってること自体が奇跡だ。
スタッフは漫画が食い扶持という異常な人生を、普通だと
思っちゃいけない。
常に新たな挑戦を試みてこそ、今が維持できると知って、
ストックを作る努力をせよ。
仕事場にコンテが溜まっているということは、スタッフが
サラリーマン主義に陥っていることの証拠だ。