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高森明勅
2019.3.22 08:00皇室

安倍首相が「旧宮家」案を否定

産経新聞(3月21日付)に
「旧宮家の皇族復帰、首相が否定的見解」
との見出しで、以下のような記事が掲載された。
 
「安倍首相は20日の参院財政金融委員会で、
皇位継承の安定策をめぐり、戦後に皇籍を離れた
『旧宮家(旧皇族)』の復帰に否定的な考えを示した。
 
『70年以上前の出来事で、皇籍を離脱された方々は
民間人として生活を営んでいる。
私自身が(離脱の)決定を覆していくことは
全く考えていない』と述べた。
 
首相は第2次政権発足前の
平成24年1月発売の月刊誌で
『女性宮家』創設などへの反対を表明し、
旧宮家の皇族復帰や、旧皇族の男系男子を
現在ある宮家の養子に迎えることを唱えた。
29年1月の衆院予算委員会では旧宮家の復帰が
皇位継承安定策の選択肢になり得るとの
認識を表明していた」
 
5月1日の新天皇のご即位後
「そんなに時間を待たないで」、
皇位の安定的な継承に向けた
政府・国会の検討が開始されようとしている
タイミングで、首相のこうした考え方が
はっきりと示された事実は頗(すこぶ)る注目に値する。
 
先に、菅官房長官は特例法の附帯決議を
尊重すると明言しているので、
今回の首相答弁と併せて、
それらが誠実なものである限り、
検討の方向性はおよそ想像できる。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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