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トッキー
2019.1.14 20:55小林よしのりライジング

情報仕入れるよりも「国語力」の方が先!

 先週配信の「小林よしのりライジング」Vol.298掲載のゴーマニズム宣言「IWC脱退 クジラを食うべし」に対して、門下生・I氏が異議申し立てをして、29ページにも及ぶ資料を作成・添付して送ってきました。

 それが正当な異議申し立てであれば、聞き入れて意見を修正することだって、全くやぶさかではありません。
 しかし、I氏はこう書いているのです。
「このたびのIWCの脱退が小林先生のようなナショナリズムによって実行されたとはとても思えません」

 I氏は、先週のライジング・ゴー宣をちゃんと読んだのでしょうか?
 よしりん先生は今回のIWC脱退を「ナショナリズムによって実行されたものとして評価する」なんて、一切書いていません。
 IWC脱退がよかったかどうかについては「まだ現時点ではわからない」として評価を保留しており、ここで論点にしているのはあくまでも「クジラごときで、そこまで強硬な手段を取ることないじゃないか」という意見に顕著に見られる、食文化を守るということを重視できない、ナショナリズムの希薄さについてです。

 I氏は、日本の漁業が時代の変化に対応できず、資源管理ができていないために近海の魚が激減し、漁師の収入も上がらず、漁業が衰退産業になっていることや、漁業再生の具体策は存在するのに、それが実行に移されていないことなどを、詳細な資料を添付して力説しています。

 確かにそういう問題はあるでしょう。
 林業についても国産資源を活用できずに外材に負けてしまった産業構造の問題に関して聞いたことはあるし、農業にだって問題は山積しているでしょう。
 しかし、そういう問題について語ることが先週のライジング・ゴー宣の主旨ではありません。

 「『食文化を守る』というナショナリズムが希薄なのは問題だ」と言っているのに対して「日本の漁業の産業構造には、こんな問題があるんですよ!」などという異議申し立てをされても、的外れだとしか言いようがありません。

 それとも、「食文化」の問題だけ書いても不足であり、『ゴー宣』で漁業全般に関する問題も書くべきだと言いたいのでしょうか?

 『ゴー宣』で何を書いても、すぐ「この問題について書いてないじゃないか!」と言って来る人がいるのですが、そういう人って、今の日本にどれだけの問題があると思っているのでしょうか?
 その全てを『ゴー宣』で書けると思っているのでしょうか?
 そんなことをしようとしたら、『ゴー宣』はたちまち運動のためのプロパガンダ作品に成り下がってしまいます。

 I氏は「言論オタク」で、ただひたすら情報を仕入れることだけが目的化しているようです。
 だから『ゴー宣』も単に「情報」としか読んでおらず、「テーマ」が読み取れていないのです。
 情報収集に躍起になる前に、まずはちゃんと『ゴー宣』が読み取れるだけの国語力を身につけてもらいたいものです。 

トッキー

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