G・K・チェスタトンの『正統とは何か』を読んだ。
保守思想の原点なのだが、昔読んでたのにほとんど
忘れたから、再読したのだ。
この書から多くの保守派が引用する部分はほとんど
同じで、西部邁の亜流である。
熟読するとかなり忍耐が必要で、本当に読んでるの
かいなと疑問を持たざるを得ない。
1900年代のチェスタトンの「常識」はキリスト教
であり、特にカトリックであるから、ニーチェも
マルクスも批判するし、ダーウィンの進化論も、
進歩主義も批判する。
カルヴァン派の予定説まで「カルヴィニズムは人間から
自由を取り上げて、それをもっぱら神に委ねた」と
批判している。
「つい20年ばかり前には、新しい自由をもたらす
制度として作られたものが、今やたちまち新しい圧制
と化している」という文脈では、レコード大賞も
テレビもオワコンだ、今はYouTubeが権威だと言い出す
「流行馬鹿」が昔も今もいるのだと、現代にも通じる
フレーズはいっぱい出てくる。
朝から読み始めて夕方までかかったが、再読しておいて
良かった。